礼拝の話

2025/05/12 

校長 小西二巳夫

聖書 ローマの信徒への手紙 3章9~18節

世界遺産には文化遺産と自然遺産があります。

世界遺産をタイトルにした『憲法9条を世界遺産に』という本があります。
この本の著者はお笑いの爆笑問題の太田光です。
9条の戦争放棄に代表される日本の平和憲法は世界中のどの国の憲法よりも優れていて格調が高いといわれます。
言葉がわかりやすく、戦争の愚かさの反省にしっかり立った言葉で書かれています。
その意味で世界的で歴史的価値があり、書かれた内容から最高の文学的作品です。
『憲法9条を世界遺産に』の本の中で、太田光は中沢新一という学者と日本国憲法がどうやってできたかについて対談しています。
それを一言で言うと様々な偶然が重なってできたもの、つまり奇跡だというのです。
多くの国が戦争の反省にたって書いているのは不戦の誓いです。
不戦とは「戦争することもできるけれど、でも今は戦わない」ということです。
それに対して日本国憲法は非戦です。
非戦とは「絶対に戦争はしない」です。

その日本国憲法がなぜ奇跡なのか、様々な偶然が重なってできたのかについて、次のように言っています。
「敗戦によって戦争が終わった時、15年も続いた戦争に嫌気がさしている国民の感情がピークに達し、同時に日本を二度と戦争を起こさせない国にしようというアメリカの思惑が瞬間的に重なったからだ」と。
二度も原爆を落とされた国だからこそ、他にない平和憲法ができたというわけです。
つまり平和憲法は人間のレベルを超えて作られた奇跡だということです。

そうすると憲法9条を中心とする日本国憲法が作られたのは、そこに見えない神の意志が働いたからと、いうことになります。
イエスが当時の人々に一番大切なことと言ったのは「自分を愛するようにあなたの隣人を愛しなさい」です。
これを国レベルの言い方にすると「何が起こっても、相手と暴力や軍事力で問題の解決をしない、戦争はしない」という9条の言葉になります。
ところがいま世界は戦争をする空気が日増しに強くなっています。
一度戦争が起これば私たちは必ず巻き込まれます。
被害者になると同時に、同時に加害者にもなります。
そうならないために、私たちは憲法9条を持つ国の人間として、憲法9条の大切さをしっかり理解し、それを世界に訴えていく責任を負っているのです。
特に清和で学び、働く私たちはそれをイエスから託されていることに気づかなければなりません。
2000年前に、イエスは大勢の人たちを前に隣人愛が平和のベースだと話されました。
そのイエスが、1週間前の5月3日の「憲法記念日」に話をされたとしたら、間違いなく言われたはずです。
「憲法9条を世界遺産に!」と。

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