学校生活

2022/09/01 

蚕プロジェクト

今年新しく赴任した理科の先生は、昨年まで昆虫を扱う研究所に所属していました。その関係でたくさんの蚕が手元にくることになりました。その一部を学校で飼育してみようということになりました。

蚕の糸を生産していた製糸場やシルクロードの歴史については社会の授業で、昆虫の生態は理科で学習します。座学で学んだ知識と実際に体験したことが繋がり、生き物の命に責任をもつ経験を生徒にしてほしいとの思いから蚕プロジェクトが始まりました。

このプロジェクトに参加した生徒は中1が4名、中2が2名、高2が3名、高3が1名の計10名。飼育箱の掃除とエサの交換は朝と放課後の2回、当番を決めて生徒自身が行いました。中には病気で亡くなった蚕もいましたが、最終的には22匹のうち20匹が繭を作ってくれました。さらにその中の4匹は成虫になるまで見守り、3頭が羽化しました。成虫には翅がありますが、飛ぶことはできません。生徒は手に乗せた蚕との触れ合いを楽しんでいました。同時に口が退化して食事をすることができない成虫をみて「家畜」と呼ばれる生き物の命について考える機会にもなったことでしょう。蚕プロジェクト最後の作業は蚕の繭から生糸を取り出し、絹糸に製錬する作業です。繭から取り出した状態の生糸はセリシンと呼ばれる物質で包まれています。糸で作られた繭が頑丈なのは、このセリシンが糸と糸を密につなげているからです。生糸からセリシンを除去したものが絹糸となります。出来上がった絹糸はほんのわずかでしたが、生糸と絹糸で変化する肌触りや光沢を実感できたと思います。

最後はお土産として絹糸を持って帰ってもらいました。蚕の幼虫から絹糸を生産する過程で得られた学びや気づきを大切にして、これからも色々なものに興味と関心を持つことのできる人になって欲しいと思います。

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