礼拝の話

2020/06/03 

6月3日(水)聖書 出エジプト記 3章9~12節日本基督教団 土佐嶺南教会 鍋谷仁志牧師

華吹(はなかぜ)というお相撲さんがいます。

この方のことを知ったのは「現役力士として初めて50歳の誕生日を迎えた」という新聞を読んだからです。

相撲の番付は序の口から横綱まで9つの順位がありますが、この方は下から3番目の三段目までしか上がったことがありません。

大した成績を残していないにも関わらず、1986年の初土俵から34年間、16歳からずっと相撲を取り続けているのです。

きっと家族や親方からも「もうあきらめたら」「もう十分頑張ったじゃない」と何度も言われてきたのではないかと思います。

力士の引退平均年齢は20代前半なので、とんどの人は芽が出なければ若いうちにやめていきます。

その中で今も現役で、自分の子どもくらいの年齢の相手と土俵で戦っています。

Youtubeで彼の相撲を観ましたが、その姿に尊いものを感じました。

それは結果や実績に関わらず、持って生まれた命を生き切っているというところではないかと思います。

好きだから、楽しいから続けているということだけではなく、それ以上に使命感とでも呼べるものが、そこにあるように見えるのです。

結果に関わらず、使命感を持って続けていくことができる仕事こそ「天職」と呼べるのではないでしょうか。

「天職」とは神さまが与えてくださった仕事、という意味です。

ヨーロッパやアメリカでは、俳優やスポーツ選手などの職業につく場合も「コーリング(Calling)呼ばれる」という言い方をします。

その仕事をするように神さまが呼んでくださったと考えるのです。

神さまは私たち一人ひとりにそれぞれが一番輝く、一番充実する、一番命を生かし切れる、そういう仕事、そういう歩みを用意してくださっています。

「私は生涯このようにして生きていく」ということが明らかになる時期は一人ひとり違います。

私は長いこと寄り道をして牧師になりましたが、その間にも神さまが一緒におられて、牧師になるための備えの時間として導いてくださっていたのだと後になって思います。

今目に見えていなくとも、今すでに神さまが皆さんを天職への道に導いてくださっています。

今日の聖書の箇所で、神さまはモーセに「わたしは必ずあなたと共にいる。このことこそ、わたしがあなたを遣わすしるしである」と言われました。

まだ見えていなくても、同じように神さまのしるしが私たちにも与えられています。

今日も神さまは私たち一人ひとりに必要なものを用意してくださっています。

どんなに小さなことでも、昨日と同じことでも、たとえ失敗の経験であっても、今日の経験はいつの日かの素晴らしい何かにつながっています。

希望をもって今日1日、過ごしてまいりましょう。

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