礼拝の話

2025/01/23 

1月17日(金) 聖書 コヘレトの言葉 7章29節 国語科 高橋

うっかり者の私は、家のドアノブにニットのすそをひっかけることが多いです。

ニットをだめにしたこともあり本当に邪魔で不便だと、忌々しく思っていました。

ところが、この世には、「服がめちゃくちゃ引っかかるドアノブ」が存在します。

作ったのは、藤原麻里菜さんという人です。

藤原麻里菜さんは、頭の中に浮かんだ不必要な物を何とか作り上げる、「無駄づくり」を中心にコンテンツを広げています。

「無駄なもの」を作るプロジェクトを10年以上続けている藤原さんが作るものは、専門的な、性能のよい発明品では、決してありません。

しかし、どれも理屈抜きに面白くて、豊かな気持ちになります。

物づくりをしている藤原さんは、手先が器用いうわけではなく、むしろ不器用だそうです。

堂々と下手なものを作る姿勢を貫き、思いついたものを一目散に作り、むだなものが誕生し、笑う、藤原さんの根底にあるその喜びは、なかなか覆りません。

そんな藤原さんには、不器用の三箇条があります。

1.飽きたらやめる

2.できるまでやらない

3.これでよしとする

この柔軟な考え方にハッとしました。

物づくりの基本は、根気強く、最後まで作ることだと思いこんでいました。

藤原さんは2016年、Google社が主催する「You Tube Next Up」に入賞、驚くべきことに2021年には、「Forbes Japan」が選ぶ「世界を変える30未満」に選出され、2022年には、挑戦する若者の力で世界を動かす「青年版国民栄誉賞 特別賞」を受賞しました。

藤原さんの、唯一無二のアイデアとユーモア、何より、ただわくわくしながら純粋に物づくりを楽しむ姿勢は、多くの人々の固定概念を打ち砕く影響力があったのだと思います。

まっすぐなものに、私たちはひきつけられ、そして、いやされ、心が救われていくのだと思います。

今日の聖書箇所には「ただし見よ、見いだしたことがある。神は人間をまっすぐに造られたが 人間は複雑な考え方をしたがる、ということ」とあります。

「私たちはただそこに存在することを寛容な心で許可すべきである。高みを目指すことはしない。完璧を目指すこともしない。不器用だからこそ、生み出せるものがあり、見える景色があるのだ」と藤原さんは言っています。

私自身も、知らぬ間に自分をしばっていた「ねばならない」という狭い価値観から自分を解き放ってあげたいと思いました。

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