礼拝の話

2020/02/05 

1月31日(金)聖書 コロサイの信徒への手紙3章12~15節 国語科 古口

「RENT」というミュージカルの主題歌で、「Seasons of love」という歌があります。歌い始めの歌詞はこうです。「Five hundred twenty-five thousand six hundred minutes」、日本語で言うと「52万5600分」という意味で、1年間の時間を「分」で表した数字です。歌詞は「1年という時間をあなたはどう測りますか」と続きます。1年を365日とする数え方は世界共通の測り方です。でも一般的な測り方にとらわれず、自分だけの測り方で1年を測るとしたら、あなたは何を基準にして1年という時間を考えますか。

 歌の歌詞は続きます。「How about love」、愛で測るのはどうだろうか。愛で1年を振り返ろう。自分の周りにどんな愛があったかを思い出してみよう。

 なるほど愛を基準にするというのはすてきだなあ、と思ったのですが、欧米の人たちのように「愛してるよ」などと日常的に口にすることは少ない日本で暮らす私たちには、「愛」という言葉の感覚や概念はいまいちピンとこないのではないでしょうか。

 海外から日本に初めにやってきた宣教師たちは、聖書の伝える「愛」を翻訳するのに、ぴったりの日本語がなくて困ったそうです。「愛する」ということをどういう日本語で伝えたら一番理解されるか。宣教師たちは考えて、愛という概念を「ご大切」という言葉で表現しました。「愛する」ということは「大切にする」ということ、「愛される」ということは「大切にされる」ということだと。

 「アナと雪の女王」というアニメ映画がありますが、あの映画でアナの心の氷を溶かした「真実の愛」は、王子さまから与えられるのを待っているような受け身の愛ではありませんでした。自分よりも姉を大切にしようとしたアナ自身の行動が、氷を溶かしたのです。「真実の愛」は誰かから与えられる愛ではなく、自分が与える愛だったのです。この1年、与えられた愛が少なかった、と思う人は、自分の与えた愛はどうだったでしょうか。愛はもらうばかりではなく与えることができるものです。

 1年を測る基準はその人の生き方につながります。人生を「愛」で測ることができるようになれば、身の周りの「愛」をもっと見つけられるようになるはずです。どんなものを見ようとするかで生き方は変わります。人は見たいものを見ます。あなたは何を基準にしてこれから先の人生を測りますか。

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