礼拝の話

2019/10/09 

10月7日(月)聖書:出エジプト記 3章11節 校長 小西二巳夫

引っ越しをうまくするためには、いくつかの約束事があります。

荷物をできるだけ少なくすることと、できるだけ安い引っ越し業者をみつけることです。

「引っ越し大名」という星野源が主演の映画があります。

国替えを言い渡された藩が、一人の侍に“引っ越し奉行”を命じられるというものです。

多くの困難を超えて、彼はこれを成し遂げますが、なぜ彼が、1万人以上の人の命を預かる引っ越し奉行に選ばれることになったのでしょうか。

表面的に見れば、誰かの無責任な考えです。

でも結果からみると、この仕事は彼にしかできなかったことがわかります。

そこに見えない、人の思いを超えた力が働いたと考えるのです。

その見えない力は、彼が本来持っている良さや能力を引き出すことになりました。

聖書には彼と同じような運命の人のことが書かれています。

モーセという人です。

今日の聖書の箇所には、モーセがエジプトで苦しんでいるイスラエルの人々、150万人を救い出して約束の地に連れていくように、と神の命令が下ったことが書かれています。

引っ越し大名が堂々とした引っ越しの話ならば、出エジプト記は脱出といえば格好いいですが、はっきりいうと夜逃げの話です。

モーセは自分にはリーダーシップがあるとは思っていませんでしたので、当然断りますが、許されず結局させられ、予想していた通りに、大変な苦労をすることになります。

周囲からは“お前が悪い”などと文句を散々言われ、頭にきたモーセは自分をリーダーにした神に不平不満をぶちまけます。

出エジプト記にはモーセがイスラエルの人たちを約束の土地に連れていくことができたのは40年後と書かれています。

出エジプト記を読んで、そうだな、と思うのは、モーセでなければ人々を約束の土地に連れていくことはできなかっただろうということです。

このことから、自分には無理、できないと思い、不平不満を言いたくなることの中に、自分を本当に生かす力が働くことがあることに気づかされます。

引っ越し奉行とモーセに共通するのは不平不満から、ただ嫌だといって逃げなかったということです。

しっかり受け止めるようになっていったということです。

今の私には、今日の聖書を通して、引っ越し奉行というよりは星野源が“まぁ何とかなるでしょ、だから今日も頑張っていきましょう”と呼びかける声が聞こえます。

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