礼拝の話

2020/10/02 

10月2日(金)聖書 イザヤ書 43章4節 家庭科 青柳

長年、日本代表のセッターを務めた竹下佳江さんという方がいます。

世界中から「世界最小、最強セッター」と呼ばれていました。

バレーボールは身長が高い方が有利とされている中で、竹下選手の身長は159cmです。

アタッカーほど背の高さは重要でないにしろ、世界のセッターの平均身長は177cmです。

今では「世界最小・最強セッター」として竹下選手は評価され、誰もが認める実力の持ち主として、伝説的な存在となっていますが、そこに至るまでには多くの困難とバッシングの連続でした。

日本のバレーボールは1964年の東京オリンピックで金メダルを取るほどの強さを誇っていましたが、2000年、予選に敗れ歴代で初めてオリンピックへの切符を逃してしまいました。

バレーボールはコートに6人いる競技なので、誰か一人の責任で試合に敗れるということはありません。

しかし、はじめてのオリンピック出場を逃したとき、世間の批判は竹下選手に集中しました。

「159cmしかない選手をセッターとして使うからオリンピックを逃した」。

技術やプレーではなく、身長が低いという理由だけでオリンピック予選敗退の責任をすべて押し付けられた竹下選手は、あまりの心ない批判に現役引退まで考えたそうです。

そんな竹下選手を救ったのは、監督やチームメイトの支えがあったからだといいます。

彼女の努力をそばで見ていたチームメイトは、誰も竹下選手を責めず、チームに竹下選手がどれだけ必要な存在かを伝え続けました。

チームメイトの支えのほかに、当時のことを振り返り竹下選手が語った言葉があります。

「転機となったのは身長のハンデを長所に変えるためにどうするか、と思考を変えることができたことです。それに、苦しんだ分だけ人は成長できると思います」。

ハンデを長所に変えるという発想の転換にすごいなと思いました。

ハンデや弱点、短所と呼ばれるものはだれもが抱えていると思います。

しかし、そのような部分も含めて神さまが私たちに必要なものとして与えて下さった個性なのだと思います。

進路指導の面接などの中で「あなたの長所と短所を教えてください」と問いかけることがあります。

「私の短所は心配性なところです」などの答えにふと疑問を抱きます。

心配性は短所でしょうか。

物事に慎重に取り組むという長所でもあると思います。

進路関係の本や雑誌、ネットを検索すると短所を長所に置き換える表やサイトがたくさんあります。

ハンデや弱点、短所などは、周りからの評価や自分自身の捉え方に過ぎないのだと思います。

見方を変えると、違った捉え方ができます。

私たちの性格や個性は、1つの方向から見ると「良いか悪いか」「弱いか強いか」などの偏った捉え方しかできないのかもしれません。

大切なのは、1つの捉え方に固執せず、様々な角度から捉え、一見短所と思われる部分も含めて、自分の個性として受け止めることだと思います。

今日の聖書箇所には、「わたしの目にあなたは値高く、尊い」とあります。

私たちの価値は能力で決まるのではありません。

「良いか悪いか」「弱いか強いか」「できるできない」が大切なのではなく、私たち一人ひとりに与えられた個性を大切に今日という1日を過ごしていきたいと思います。

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