清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2020/10/23
数日前に新聞である記事に目を奪われました。
『雨の中、裸足でバレエを踊るナイジェリア少年』という見出しの記事でした。
このナイジェリア少年の動画がInstagramに投稿されていたことを知り、早速動画を見てみました。
3分程の動画で、この少年はマドゥ・メソマ・アンソニー君、11歳。
他に11名の同じ年頃の子たちと一緒にレッスンを受けている場面が流れます。
バレエを教えているのは、独学でバレエを学び、自宅の一室を稽古場にして無料でバレエを教えるダニエル・アジャラ・ウォセニさん、29歳。
稽古場ではバレエシューズを履いて踊っているようでしたが、きっと余程バレエをすること、踊ることが好きなのか、家の庭らしき場所で、雨が降る中、ぬかるんだ土の地面の上でも、お構いなしに夢中で踊っている一場面、というのが新聞記事に載っていた写真でした。
動画が投稿されてしばらく経った頃、世界最高峰のバレエ団「アメリカン・バレエ・シアター」が主宰するバレエスクールの芸術監督の目に留まり、この夏オンラインで行われた3週間のワークショップに参加するための奨学金が与えられ、受講することができたそうです。
また、彼を指導していたウォセニコーチにも、インストラクター育成のための特別クラスへの参加ができるよう手配をしてくれたということです。
アンソニー君はインタビューで次のように話をしていました。
「うちの周りには僕みたいな男のバレエダンサーはいません。バレエは女の子のものだと思われているのです。女の子だけのものじゃないって分かっていないんです。踊る僕を見てもらいたくて、僕を見れば男のバレエダンサーがいるって分かってもらえるから。僕はバレエが大好きです。まるで夢を見ているみたいな気持ちになります。僕はいつだって踊っています。踊ることは、とにかく僕の人生の一部です。ナイジェリアのプロのバレエダンサーになりたいです。」
今日の聖書箇所には、『求めなさい。そうすれば与えられる。探しなさい。そうすれば見つかる。門をたたきなさい。そうすれば開かれる。誰でも求める者は受け、探すものは見つけ、門をたたく者には開かれる。』とあります。
アンソニー君は何かを発信し、行動することで周囲の意識を変えることができるのではないかと考えたのだと思います。
動画に映る背景などから、きっと生活そのものも、私たちのように衣・食・住が満たされているわけではないのだろうということは容易に想像できました。
決して良いとは言えない環境の中でも、バレエを踊る彼の目はキラキラと希望に満ちていて、本当に踊ることを楽しんでいる様子が伝わり、心が充実しているんだろうなということが動画を通して在り在りと伝わってきました。
何か1つ、自分の決めたものに打ち込めるということは、私たちの心にもたくさんの栄養を与えてくれると思います。
今しかできないこと、今だからこそできることにどんどんチャレンジしていけば、アンソニー君のように、皆さん自身の求めるものも見つかり、今までに得ることのできなかったものを得られ、自然と自分の進んでいく道が開けてくるのではないかと思います。
どんな道が開けるか、それは動いてみなければ分かりません。
まずは今日という1日の中で、小さいことからでも目標をもってチャレンジしてみましょう。
小さいことの積み重ねがきっと皆さんの道を拓いてくれます。(