礼拝の話

2021/10/04 

10月4日(月)聖書 マタイによる福音書 5章13~16節 校長 小西二巳夫

マタイによる福音書5章13、14節で、イエスは地の塩になりなさいと言われました。

地というのは自分が住んでいる地域、世の中のことです。

塩になるとは、辛口つまり文句や不平ばかりをいう人になることではありません。

相手を見下すような態度をとることではありません。

謙虚な気持ちと姿勢をもって生きなさいということです。

イエスはそれを言葉で、そして具体的な行動で表しなさいと言われたのです。

清和はイエスの言葉を大切にする学校です。

利他を大切にする学校です。

そこで考えました。

清和が「地の塩」そして利他を具体的な形にするとしたら、何ができるだろうか。

地の塩が聖書の言葉ですから、まず考えないといけないのは聖書の時間です。

聖書科には高2に「選択教養」という科目があります。

そこで授業を担当する橋本さんが考えてくれました。

「清和だから作れる塩を作ってみたい」。

同じ塩を作るなら最高の塩を作っている人から教えてもらいたい、と清和がオーガニクスで培ってきた自然を大切にする、そのような考え方を持った人を探してその人からぜひ塩づくりを指導してもらいたいと考え、田野屋塩次郎さんという塩を作っている方にお願いしに行くことになりました。

この方は東京の方ですが、塩づくりの魅力に出会われ、修行するなら日本一の塩づくり名人の下でと黒潮町に来られました。

師匠の下で塩づくりの修行をして、師匠から田野屋塩次郎という屋号をもらい、それから10年以上塩づくりに励み、作りたい塩を作れるまでになったという人です。

この塩は、塩そのものがおいしく、材料の良さを最大限引き出すということで大評判です。

清和の勝手なお願いを日本一の塩職人が聞いてくださる可能性はどうだろうかということもありましたが、橋本さんの熱意もあって田野屋さんはあっさり引き受けてくださったのです。

そこからオーガニクスの畑の横に作ったビニールハウスで4~5か月をかけた塩づくりが始まりました。

この塩づくりは天日作りという一番手間暇のかかる方法です。

一切手を抜くことができません。

毎日必ず手の中で優しく包むように混ぜるのです。

手間暇をかけた選択教養の塩づくりが、明日の授業で完成するわけです。

それにしても、田野屋塩次郎さんがお金にならない学校のお願いをどうして聞いてくださったのか、です。

理由の1つに、若い人を育てたい、塩づくりや塩そのものに関心を持つ若い人を育てたいとの思いがあったようです。

塩づくりというのは地元で行うものです。

つまり地域をつくり守っていく人を育てることになると考えてくださったわけです。

田野屋塩次郎さんが清和の塩づくりの指導を引き受けてくださったことに、イエスの今日の言葉が重なります。

塩が利他であるように、田野屋塩次郎さんは利他的な考えから清和のお願いを聞いてくださり、時間とエネルギーを使ってくださいました。

しかも無償、一切の見返りなしに指導してくださったわけです。

地の塩というように、地域に生きる人を育てることも同時に考えてくださいました。

利他によって塩づくりを指導してくださった田野屋塩次郎さん、聖書を通してどのように生きるのかを教えてくださっているイエスの愛に応えるためにも、清和は利他をしっかり持った学校になり、清和で学び働く私たちもまた、利他の心を持ち、利他に生きる人になっていきたいと心から願います。

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