礼拝の話

2020/10/09 

10月9日(金)聖書 マタイによる福音書 6章34節 数学科 柳井

学生のころ、週刊少年ジャンプという週刊誌がお気に入りでした。

今では1週間に1回出版されることが当たり前の週刊少年ジャンプですが、初めて出版されたときは、月2回発行される漫画雑誌でした。

当時の流行は既に週刊誌に変わっていて、その波に乗るべくジャンプも週刊誌に変わろうとしました。

ところが、ジャンプの作品を手がけている有名な漫画家は、既に他の雑誌で手がいっぱいです。

そこで、苦肉の策として、当時アシスタントをしていた新人たちを多く起用します。

これが功を奏し、ジャンプは「新人が良く出る漫画」と評され新人漫画家からの持ち込み作品が一気に増えるのでした。

今のような勢いのある作品は、当初のスタートのお陰でもある、と当時の編集者は語っています。

そんな週刊少年ジャンプは、これまでに数々の伝説作をのこしています。

「北斗の拳」「ろくでなしブルース」「るろうに剣心」「こち亀」「ワンピース」「鬼滅の刃」「ドラゴンボール」「NARUTO」「HUNTER×HUNTER」「ジョジョの奇妙な冒険」など数えればキリがありません。

ジャンプは、なぜこんなにたくさんの人気作を生み出せるのでしょうか。

そこには、ジャンプの、人気漫画に共通している、ある秘密がありました。

週刊少年ジャンプの3原則と言われるものがあります。

「友情」「努力」「勝利」、この3つの要素です。

幅広い世代に愛され、人気絶頂の中、連載を終えた「鬼滅の刃」を例にみてみましょう。

『友情』と言う観点では、鬼の撲滅のために作られた組織「鬼殺隊」がそれにあたり「友のために戦う」といった点や「仲間同士助け合う」など様々な点で当てはまります。

この『友情』を描くことで、読者に「人の温かさ」「友達の良さ」「人の為に動くことの大切さ」などを感じさせ、数々の感動を生んできました。

次に、『努力』という点です。

ジャンプでは、主人公は最初から最強ではないという点を大切にします。

必ず、何かしらの工夫だったり、一生懸命戦ったり、目的を達成するために努力します。

初めから、ある程度強く描かれていたとしても、必ず今の自分では敵わない相手に遭遇します。

主人公は諦めず、修行をすることでパワーアップして壁を乗り越えます。

諦めない精神が、読者に「頑張れ!」と応援させたくなる気持ちや、「どうやって勝つんだ?」という

問いを投げかけ、夢中にさせてくれます。

最後に、『勝利』です。

必ず最後には『勝利』があることで、話を完結することができるのです。

この『勝利』を描くために様々なストーリー展開がされていると考えることもできます。

このように、ジャンプ漫画の主人公は、友情・努力・勝利の3原則を物語に絡めながら漫画という世界の中で生きています。

現実の世界に目を向けると、「鬼滅の刃」の炭治郎や「ワンピース」の主人公ルフィーよりも、もっともっと友情・努力・勝利を体現している人物がたくさんいます。

それは、伝説的な人気漫画を生み出している作者たち本人です。

アシスタントや、編集者、仕事仲間との友情。

寝る暇を惜しんで机に向かう、血の滲むような努力。

そして、その先に、納得のいく作品の完成や、感動・勇気を読者に与えるという勝利が待っています。

特に、週刊連載の作品をもつ漫画家は毎日締め切りに追い詰められていることでしょう。

私たちも、何かに追い詰められることはあります。

定期試験の勉強や、宿題の締め切り、これから先の進路のこと、受験・就職、家事や育児、毎日の仕事。

そんな状況の中にあっても、思い出してほしい言葉があります。

「だから、明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である。」

今日という1日を大切に過ごし、その日の自分に合わせたベストを尽くしましょう。

やるべきこと、その日のうちにできることが終われば、さっさと寝て、明日のことは明日の自分に任せましょう。

心配しなくても、思い悩まなくても、明日は勝手にやってきます。

そして、明日は、明日の自分と相談しながらベストを尽くしてください。

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