礼拝の話

2019/11/14 

11月13日(水)聖書 使徒言行録 17章18節 日本基督教団 高知東教会 野口幸生先生

大学4年生の時、周りの4年生たちは就職活動をしていたのに、私はしていなかったので、結構焦っていました。

そんな時、クリスマスに泊めてくれたルースが仕事を手伝ってくれないか、と連絡をくれました。

ルースはクリスチャンファミリーに留学生のホームステイのお世話をしていたので、その留学生の悩みやホストファミリーへのアドバイス、必要な雑用の手伝いをということでした。

彼らに仕えることでキリストの愛を伝える良き友となってほしいといわれ、それなら自分が学んでいたカウンセリングも生かせるし、キリストの愛を伝える仕事なんて、もし本当に牧師をなるように導かれているなら、こんな最高の訓練場所は他にないじゃないか、と感謝しました。

ただ、その職場の肩書がすごかった。

“スピリチュアル・カウンセラー”

怪しいでしょう!今でも苦笑いしてしまいます。

ホストファミリーの多くはずっとクリスチャンで、教会に行くのも、食事の前のお祈りも当たり前、そうでない人と一緒に暮らしたことがない、という家庭に日本人青年が来ました。

“ハローアイム〇〇。私は日本人です。アメリカ人はキリスト教を信じます。日本人は神道で、仏陀を信じています。”

こういう人が来ると、彼らは大混乱です。

そこで私の出番です。

先程の聖書の箇所をホストと一緒に読んで、「日本人の多くは、このアテネ人と似ていて、日本宗教はこれこれで、キリストは外国の神だとあまり考えないまま思っています。色々な主教行事をごっちゃにやりつつ、自分は無宗教だと考える。それに何の違和感も覚えません。」

こう説明すると「じゃあ私たちはどうしたらよいの?」と本当に困った顔をするんです。

「アテネでのパウロのように、とにかく押し付けず、愛してください。私もそれでキリストに出会いました。」というと、ホッとした顔をして、「わかった。愛するのね。Thank you.」と。

ある夫婦の元に、カズノリという20歳過ぎの青年がホームステイに来ました。

最初は私と同じように、ホストファミリーがいうことはちっともわからずでしたが、その夫婦はひと月もふた月も彼のspeak more slowlyに穏やかな笑顔で付き合うんです。

そして数か月、食事の前の祈りの意味も分からずに、早く食べようよと思う毎日の中で1つの言葉が聞き取れるようになってきます。

…カズノリ…カズノリ…アーメン。

自分のことを毎日毎日祈っていることがわかり、自分もこの人たちのようになりたい、そう思ったカズノリは聖書を読み始めて、イエス様を信じました。

人を愛するのは難しいです。

しかし、実は本当に単純で素敵なことだと改めて思います。

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