清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2021/11/18
今週、高3、高1、中1のクラスでクリスマス授業をしました。
高校生は「クリスマスを英語で読もう」がテーマで、今日の聖書箇所も英語で読んでみました。
この箇所は今高2の人たちが練習しているクリスマスの聖誕劇の最初に出てくる場面です。
天使に対して最後にマリアが言った言葉が先ほど読んでもらった箇所です。
「お言葉どおりこの身になりますように」
この箇所を英語で読んでみるとLet it be to me according to your word とありました。
According to は「~に従って」と言う意味なのでAccording to your word は「あなたの言葉に従って」という意味になります。
「あなたの言葉に従って私にそのように成りますように」と言う意味です。
Let it beと聞いて、ビートルズのレットイットビーを思い浮かべる人もいると思います。
あの歌の最初のほうでMother Mary つまり「聖母マリア」という言葉が出てきます。
『「ずっと悩んで苦しみぬいた時に、僕の元に聖母マリアがやってきた。そしてこんな格言をつぶやいた。「素直に生きなさい」』とありました。
Let it be はそのままに自分らしくいなさい、という意味になります。
この天使がマリアに現れて子どもが生まれることを告げる場面を「受胎告知」と言います。
昔から多くの画家がその場面を絵に描きました。
どの絵もマリアと天使の二人だけが描かれ、マリアは天使の方をじっと見ています。
ある1枚は15~16歳ぐらいの少女が狭い寝台の上で身を固くして、傍らに立つ天使の方を見ている、という構図でした。
多くの画家はマリアを天使のお告げに「お言葉どおり」と答えた立派な女性、として描いたかもしれませんが、この絵は本当にその時のマリアの気持ちを良く表しているように思いました。
マリアは別に立派な女性だったわけではありません。
どこにでもいる、平凡な少女だったと思われます。
彼女は天使の突然の来訪に対して「わかりました」と答えました。
自分に与えられた人生を受け入れたのです。
これは時として本当に難しいことです。
自分が思い描いていた人生設計がくつがえされる、理性や常識では理解できないことも起こる、この天使の来訪はそういうことなのです。
人生にはうまくいかないことはたくさんあります。
もっとこうだったら良いのに、と思うことだらけです。
そんな自分の人生を受け入れるなんてとても無理だと思うことも多いでしょう。
でも、マリアは天使の言葉にかけました。
マリアは「主があなたと共におられる」「神にできないことは何一つない」との天使の言葉に信頼して「お言葉どおり」に任せることにしたのです。
私たちが自分自身を受け入れるとき、初めてLet it be ありのままでいる、ことができます。
そしてそこから前に進んでいくことができると思います。
「お言葉どおりに」は次の一歩を歩み出す言葉です。
毎日の学校生活を前向きに送るための第一歩なのです。