礼拝の話

2021/02/15 

2月15日(月)聖書 使徒言行録 2章43~45節 校長 小西二巳夫

今朝は13日の夜に起こった地震で被害を受けた人たち、避難所で過ごしている人たち、そして精神的につらい気持ちの人たちのために、しばらく沈黙の祈りを行いましょう。

 

昨日はバレンタインデーでした。

時の権力者、ローマ皇帝の意に反して兵士たちの結婚式を内緒で行っていたキリスト教の指導者、バレンタインが紀元269年2月14日に処刑されたことにちなんだものです。

バレンタインデーだけでなくチョコレートに関わる思い出を持つ人は多いはずです。

その1人に田口愛さんという大学生がいます。

田口さんの幼い頃の一番の楽しみは、ひいおじいちゃんがくれるチョコレートでした。

「こんなおいしいものを作るのはどんな国、どんな場所、どんな人たちだろう」と思ったそうです。

大学生になった田口さんは、それを確かめるためにアルバイトでお金をため、日本が70%のカカオ豆を輸入しているアフリカのガーナという国に向かいました。

憧れて向かったガーナで見たのは、厳しい現実でした。

貧しい暮らしをしているカカオ農家、病気になっても薬を買うことができずに亡くなっていく人、安く買いたたかれるカカオ豆、などを目の当たりにしました。

しかも、カカオ農家の人は加工されたチョコレートを食べたことがなかったのです。

大好きなチョコレートに悲しみや苦しみが含まれていることを知り、ガーナの農家のためにできることがあるはずだと、次のように考えました。

品質の良いカカオ豆を作り、それを高い価格で流通させればよい。

そうすることでガーナも日本もお互い幸せになれるはずだ。

そして台湾やインドネシアの農場でカカオ豆の栽培方法を学び、決まった価格でカカオ豆を買い上げていたガーナ政府と交渉し、クラウドファンディングで資金を集め、チョコレート工場を作りました。

この間、わずか3年です。

1人の大学生が考えたことが世の中を大きく動かくすことになったのです。

田口さんの活動から思い出す本があります。

「世界は女性が変えてきた」という、それぞれの分野で輝く84人の女性の話が載っています。

彼女たちの活動エネルギー、挫折から再び立ち上がる力はなんだろうと考えました。

共通の何かがあると思いました。

それはバレンタインデーの由来とも関係のある「愛する」ということです。

人を愛したい、大切にしたいということが自分を動かすエネルギーになるのです。

愛するものをもつことが、自分を進むべき方向に向かわせる力になるのです。

そして、愛されるという体験が生き抜く力、やり抜く力になります。

変えるべきことを変える力になるのです。

その出発点にいるのが、聖書に登場するイエスの母マリアです。

マリアの愛の中で育ったイエスが30歳を過ぎて神の救いを伝える活動を始めました。

イエスが言ったこと、自ら行ったことは1つです。

隣人を、他者を愛する、大切にすることです。

それが何より自分と周囲の人を救い、幸せにするといいました。

今、私たちがしっかり気づきたいのは、そのイエスに愛されていることです。

周囲の誰からも愛されていないと思うことがあります。

けれど、その私をイエスは決して見放さず愛してくださっているのです。

イエスが愛してくださっていることをしっかり受けとめることが、何よりの生きる力になることに、自分の世界を拓くエネルギーになるのです。

それを心に刻みながら、新しい1週間に取り組んで行きましょう。

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