清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2020/02/20
今日の聖書の箇所は、イエスが5つのパンと2匹の魚を元手にして5000人以上の人々と共に食事をした不思議な出来事の後の場面です。
主イエスは大勢の人々を帰らせ「ここからは、あなたたちだけで湖の向こう岸に渡りなさい。」と言い残すと、一人でお祈りをしに山へ登って行きました。
舟は順調にて進んでいきますが、夕方になると強い逆風にさらされて波も荒れてきました。
嵐で先が見えなくなり、思うように進めなくなって、弟子達は身も心を疲れ果ててしまいます。
今までのように主イエスがいないという不安が、弟子達の心をますます暗くしていました。
その時、誰かが大荒れの湖の上を歩いて近づいてきます。
弟子達は幽霊だと思って怖くなり大声で叫びますが、怯える弟子達に語りかける声がありました。
「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。」
それは確かに主イエスの声でした。
幽霊だと怯えていたのは、主イエスだったのです。
主イエスと離れ離れだと思っていた弟子達は、主イエスが共におられることに気付きます。
その時、嵐は静まり、弟子達の不安も消え去ります。
そして、無事に向こう岸に辿りつくことができました。
どんな時も主イエスが共におられることを知った、初めての体験となりました。
離れ離れになった主イエスがここいるはずがないと思い込んでいた弟子達は、それでも共におられる主イエスのことを自分勝手に幽霊だと決め付けて、怯えていただけでした。
そのように怯える弟子達に、主イエスが語りかけるのです。
「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。」
2019年度も残りわずかとなりました。
2020年度という新しいステージへと船出しようとしています。
期待に胸が膨らませていることもあると思います。
けれども、嵐に出くわすようなこともあるかもしれません。
自分自身を見失いそうになったり、自分で自分のことがわからなくなることがあるかもしれません。
だとしても、それこそ自らが作り出している恐れ不安によるものなのかもしれません。
「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。」
この主イエスの語りかけは、そんな私達にも語りかけているように聴こえてきます。
「わたしだ」と迫るのは、主イエスご自身であるのと同時に、どんな一人一人であっても、愛し、ゆるし、必要としてくださる主イエスを思い知ることです。
そして、そんなイエスなんているものかと決め込んだり、こんな私が大切にされるはずがないと思い込んでいても、恐るべきことに、この私は愛され、ゆるされ、必要とされていると、この私の正体を思い知ることです。
聖書は語りかけています。
「安心しなさい。あなたは愛されている、ゆるされているそして必要とされている。恐れることはない。」