礼拝の話

2021/02/26 

2月25日(木)聖書 箴言 12章25節 社会科 山脇

私には、東京のテレビ局の関連会社に勤めている1つ年上の姉がいます。

昨年の9月、「高知に帰ろうかな」と相談を受けました。

姉は長い間、ニュースの天気予報を担当し、とてもやりがいを感じていたようです。

天気予報のコーナーは、その日の天気をお知らせするだけではなく、季節の風物詩、例えば旬の食べ物や地方のお祭りなども取りあげます。

ニュース番組の特設サイトで、そのような地方の良さを紹介することも姉にとっては楽しかったようです。

災害が起きた時には、連日テレビ局に泊まり込みということもあったようですが、やりがいを感じていた姉から「やめたい」「高知に帰ろうかな」という言葉を聞いたことはありませんでした。

昨年の2月、長年勤めてきた天気予報の部署から報道局へと移ることになり、当初から不安を抱いていた姉に追い打ちをかけたのが、その頃から感染が拡大した新型コロナウィルスでした。

ただでさえ、初めて働く部署で、しかもそこが日常の出来事を扱う報道局となれば、嫌でも新型コロナウィルスのことを報じなければなりません。

連日、地方のテレビ局から感染者情報を受け取り、ニュースとして報道する。

当然、それ以外の出来事、毎日起こる事件や事故、政治の問題なども扱います。

昨年あたりから、夕方や夜のニュースでは、明るい話題よりも、暗く、落ち込んでしまうような話題を扱うことが増えたように感じます。

もちろん、天気予報でも辛いニュースを扱うことはあります。

豪雨災害などが発生した場合は、被災された方の様子などを報道しないといけないわけですが、それでも、姉がやりがいを持てたのは、自分たちが報道するニュースによって、まだ被害にあっていない人たちの手助けになると思えたからでした。

あと何時間雨が続くのか、地盤は、川は、と正しい情報を伝えることで、まだ避難していない人たちに危険を呼びかけ、その人たちを救うことができるかもしれないからです。

報道局も同じように災害などを報じるわけですから、仕事の中身は一見変わりないように思ってしまいますが、姉にとって報道局での仕事は、その扱う内容の重さもあり、気持ちの負担がかなり大きかったようです。

ある日、テレビ局から家に帰る地下鉄のホームで、ぼーっと電車を待っている時、一瞬、線路の方に体が動きそうになったと言うのです。

一通り話しを聞いた後、「仕事のことは考えずに、すぐに高知へ帰ってきて」と伝えました。

休みをとって高知に帰ってきた姉は、少し元気を取り戻して東京に戻りましたが、今は高知に帰ることを考えて、本格的に仕事探しを始めています。

正しい情報を知ることは私たちの生活には欠かすことはできませんし、それを伝える仕事は尊い仕事であることに疑いの余地はありません。

大切なのは、私たちがその情報をどのように受け取り、扱うのかということではないでしょうか。

姉は、報道という世界に長い間身を置きながらも、見る人、聞く人の心が嬉しくなるような情報を伝えられるという所にやりがいを感じていました。

今日の聖書箇所には、「親切な言葉は人を喜ばせる」とありました。

今年度を締めくくるこの時期に、今一度日ごろの自分の姿をしっかり見つめたいと思います。

そして、周りの人を喜ばせる言葉や、励ますことのできる言葉を、お互いに広げていければと思います。

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