清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2020/02/05
今朝の賛美歌は私が大学入学の時に歌った賛美歌です。
そこから私の学生生活は始まりました。
文学部に入学し日本文学を専攻し、その中でも「万葉集」の研究をしました。
研究活動はとても楽しいもので、時間を忘れさせてくれるものでした。
そして、月日が経ち、様々な経験をし、こうして皆さんの前に立っています。
それもまもなく1年が過ぎ、高校3年生は卒業していく時期になりました。
誰もが「時間の大切さ」について語っています。
一人ひとりの限られた時間を大切にすることについては、異論はないと思います。
「時間の大切さ」というとすぐに「未来のために現在を大切にしなければならない」とかんがえがちですが、そうなると「現在」があまり意味のないものになってしまうように思います。
しかし、「現在」の積み重ねで、私たちは生きています。
そして、この「現在」をある時ふと思い出すことがあります。
それは、自分ができる限りの努力と情熱を注いだことです。
学生時代の私にとっては、「万葉集」という1つの作品と向き合い、時間をかけて理解を深めようと読み進めていったことです。
「未来」と同じように「過去」についてもどう考えればよいでしょうか。
「過去」は再びやって来るわけではありません。
しかし、「現在」と同じように「過去」も無意味なものにしてはいけないと思います。
その時、役に立たないと思っていたものでも、今この時点から考えれば、とても大切なものと感じられることがあるということです。
私も含めて、ここにいる全ての人が、これから幾度となく節目の時を迎えることになるでしょう。
一瞬である「現在」という時間を意識して積み重ねていき、希望の将来へと向かっていきましょう。
今日この瞬間がその第一歩です。