礼拝の話

2018/09/18 

2018体育大会 開会礼拝 「クリストフォロス」 2018.9.15  詩編126編5~6節

清和は行事の時にも礼拝によって始め、礼拝によって終わる、を大切にしています。そこで今日の体育大会も礼拝から始めます。

ようやく本番の日を迎えました。

この日を楽しみにしている人、ワクワクしている人がいます。

できれば雨で中止になってほしかったと思っている人、早く終わってほしいと願っている人もいるでしょう。

行事が好きな人嫌いな人、それぞれちがいがあります。

でも今日という一日はそれぞれ等しいのです。

それなら積極的に取り組んだ方、が楽しいですし、時間も早く過ぎます。

それにしてもなぜ清和は体育大会の準備に時間をかけてエネルギーを使って取り組んでいるのでしょうか。

こうした行事の後によく言われのが「いい思い出になりました」です。

これは清和の体育大会にはそぐわない言葉です。

というのは、清和はみなさんにいい思い出を作ってもらうために体育大会や行事を行っているのではないからです。

思い出作りのお手伝いをしようとは考えていません。

思い出=過去です。

逆に簡単に過去にしてもらっては困ると考えています。

それでは人間的成長をしないからです。

清和は体育大会に取り組むことで、人ひとりに生きる力を持った人になってほしいと考えています。

今を生きる力、これからを生きる力、それを養ってもらうため、体育大会行事を行うのです。

それをまずわかってください。

 

これは今年の体育大会のキャッチフレーズと大いに関係します。

今年選ばれたキャッチフレーズは「天下無双」です。

意味は誰もがかなわない強さです。

この4文字熟語を選んだのはそこには選んだ人たちの思いがあります。

そして同時にその思いを超えた何かがあります。

 

作家の芥川竜之介の作品に「きりしとほろ上人伝」というのがあります。

この小説に今日の体育大会のキャッチフレーズ「天下無双」が出てきます。

主人公はクリストフォロスという人です。

ある日クリストフォロスは周りの人たちに聞きました。

「無双の強者と申すは、いずくの国の大将でござろうぞ」。

今の言葉にすると「今、誰もが勝てない強い大将は、どこにおられますか」と尋ねたのです。

クリストフォロスは、大きくて強い体を持っていました。

彼の夢は一番強い人の家来になることでした。

その人に出会いたくて、旅人を背負って川を渡る仕事をしていました。

ある暴風雨の夜のことでした。

彼は小さな子どもを背負って流れが速くなった川を渡ることになります。

ふだんなら大きなおとなでも軽々と背負って渡るのですが、その日は子どもを背負って進むうちに、その小さな子どもがずしりずしりと重くなっていきました。

クリストフォロスは濁流をかぶりながら、それでも足を踏ん張り、子どもが流されないように必死にがんばって、何とか川を渡りきります。

そして、後ろを振り返ってみると、川はこれまでに見たこともないほどに水かさが増し、流れも速くなっていました。

その時、クリストフォロスはハッとしました。

もしこの小さな子どもの重みがなければ、自分は完全に流されてしまっていたに違いない。

すると子どもがいいました。

「わたしはキリストであり、あなたが背負った私の重さは全世界の命の重さなのだ」。

一人の子どもの命を守ることの大切さ、そして小さな子どもの命を守ることが、自分自身を守ることになるというわけです。

クリストフォロスが濁流に流されず、助かったのは、小さい弱い子どもの命を背負い、それを必死に守ろうしたからです。

弱い人を守ることは自分の命を守ること、弱さを大事にすることが本当の強さを持つ人になるというのがこの話です。

弱いときにこそ強い、弱さを大切にできる強さ、それが本当の強さだということです。

今日本のあちこちで大きな災害が次々に起こっています。

その中に家族を亡くした、家を失った、これからどうしたらいいだろうかと希望が持てないでいる人がいます。

災害で真っ先に被害を受けるのは年配の人、体の不自由な人、子どもなどです。

弱さを抱えた人たちが一番被害を受けやすいのです。

これは決して遠いところの話ではありません。

高知にも四国にも大きな被害を受けた地域がたくさんあるからです。

すぐ身近な話です。

近くで遠くで災害が起きた時に、私たちが問われることがあります。

それは自分の身の回りで起こっている出来事に気づかないで生きるのか、それともそうしたことに気づき、関わる生き方をするのか、ということです。

その時に、聖書は、そして今日のクリストフォロスの話が、どちらの生き方が本当の幸せをもたらすのかをはっきり教えてくれています。

 

清和は青組、黄組の団長たちの発案によって、自分たちの体育大会ができる感謝と、台風や地震で被害を受けた人たちのことを少しでも考えるために、災害募金を行うことになりました。

クリストフォロスは小さな子どもを背負うことによって、濁流に流されることなく命、生きる力、希望を得ました。

私たちも小さい弱い存在の命を守ることに関心を持つような生き方をすることによって、自分が人間的に成長できる、本当の強さを持った人になっていけるのです。この災害募金に協力できたら、天下無双の体育大会はさらに意味あるものになります。

 

それでは今日の体育大会のそれぞれに互いに協力し合いながら、今日まで様々な形で支えてくださった保護者のみなさんと一緒に、全力を尽くして取り組んでいきましょう。

お祈りをしましょう。

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