礼拝の話

2020/03/13 

3月13日(金)聖書 コリントの信徒への手紙Ⅰ 10章13節

休校となってから10日が経ちました。

コロナウイルスのために様々な大会やイベントなど、様々な場所に影響が出ています。

その一つに、女子マラソンのオリンピック代表選考を兼ねて行われた『名古屋ウィメンズマラソン』があります。

オリンピック女子マラソンの代表権は3枠ですが、この大会が行われる前に、2人の選手がすでに代表として決まっており、残す枠はあと1つでした。

今回の代表権をめぐっては条件がありました。

日本人1位でゴールすること、2時間21分47秒よりも速くゴールすること、です。

この条件に当てはまる選手が出なければ、大阪国際女子マラソンで成績を残した松田選手が3人目の代表に選ばれる、ということで結果が気になり、テレビ中継を食い入るように見ていました。

マラソンは42.195km走るのですが、残りが10kmくらいになったところで、少しずつ固まっていた集団が縦長になっていき、一人、また一人と選手が後ろに離されていきます。

最初は何が起こっているのかよく分かりませんでしたが、選手の横を走っている中継車から映し出された映像に切り替わった時、その疑問がすぐに解けました。

7名の候補選手の一人である一山選手が、まるでゴムまりが弾むかのような走りで、ぐんぐんスピードを上げて、それについていけなくなった他の選手が少しずつ後ろに引き離されているということでした。

結局、一山選手が全体の1位で、松田選手のタイムより1分以上速く、2時間20分29秒でゴールしました。

この結果を受けて様々な反応がメディアを通じて伝えられましたが、一山選手のある記事に目が留まりました。

それは昨年9月の代表選考レースMGCで一山選手は6位に終わり、悔し涙を流したという記事でした。

監督の理想とする走りと自分の走りが一致せず、監督ともうまくコミュニケーションが取れなくなっていたMGCからわずか5か月後にオリンピック代表権を獲得する走りができるようになったというのです。

監督は必ずオリンピックで通用する選手になれると最初から見込んでいたようですが、世間的にはあまり一山選手について大きく取り上げられることはなかったように思います。

一山選手は監督の設定する練習メニュー「鬼メニュー」を、ただひたすらに信じ、理想の走りを追い求めて、ストイックに練習に打ち込んできたのでした。

「どうしてうまくいかないのか」「良い走りができないのか」と毎日のように思い、「きっと明日はできるようになる」「できるようになりたい」と純粋に追求して5か月間を過ごしてきたのだと思います。 

聖書には、『あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練とともに、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。』と書かれています。

一山選手にとって、ここに書かれてある『逃れる道』というのは、その鬼メニューから逃れることではなく、その鬼メニューを毎日コツコツと積み重ねていくことこそが、その試練を乗り越えるための『道』『術(すべ)』であったのだと思います。

私たちの日常でも、うまくいかないことや思い通りに進まないことが多々ありますが、乗り越えられるからこそ、その壁が用意されたのだと思えば、何かやる気が湧いてくるような気がしませんか。

コロナウイルスの感染拡大もしかりですが、今自分が置かれている現状から次のステップに進むために、「それぞれの道」を探りつつ、それぞれの壁にチャレンジし、乗り越えていきたいものです。

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