礼拝の話

2021/03/04 

3月4日(木)聖書 テサロニケの信徒への手紙Ⅰ 4章11節 国語科 田野

「すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる」とよく言われます。

試験勉強を始めると、内容がよく分からなくても、試験では良い点が取れるから、この言葉だけ暗記しておこう、と思うことがあるでしょう。

このような「勉強」は、試験にはすぐに役に立ちますが、試験が終われば、途端に役に立たなくなります。

覚えたはずの言葉は、記憶の彼方へと消え去り、何をしていたのかさえ分からなくなってしまいます。

それでも試験の開始が告げられるまで、「勉強」を続けることは良いことです。

しかし、もう少し早く始められなかったのか、と思うこともあります。

もう少し早く「勉強」を始めていれば、試験期間に入ってから、「もっとゆっくりと過ごすこともできたのになあ」などと思うことがあるはずです。

あわただしい中で、「どうして勉強なんかしなければならないのか」という疑問すらわいてくるかもしれません。

今日の聖書箇所のある、パウロの手紙では、終わりの時に救われることを信じて、さまざまな苦難の中で、「落ち着いた生活をし、自分の仕事に励」むことを説いています。

心に余裕があるときに、「落ち着いた生活」が送れるのは、当たり前です。

一方、大変なとき、苦しいときに落ち着いて行動できる、このことはとても大切です。

落ち着きが冷静さを生み、自分の持っている力を発揮することができるからです。

むしろ落ち着きが必要なのは、大変なとき、苦しいときではないでしょうか。

今の状況をしっかりと理解して、今の困難を乗り越えていくことを思う時に、あせっていては、より良くない状況を作り出してしまうことにもなります。

今何をしているのかよく分からない、やっていることの意味がよく分からない、そのような「勉強」も、自分自身の望む将来が訪れる日につながっているはずです。

そのことに気づいていても、うまくいかなくなって、誰でも迷います。

どうしていいか分からなくなって、誰かに頼ることも悪いことではありません。

しかし最後は、「自分の手」で行わなければ、知識や技術は身につけることはできません。

身につけるためには、時間もかかります。

やはりゆっくりとゆとりを持つことが大切です。

試験期間に、ゆっくりと過ごせた人も、急に走り出さなければならなかった人も、それぞれが納得できる形で、まずは今日一日を終えられるようにしてください。

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