礼拝の話

2021/05/17 

5月17日(月) 聖書 使徒言行録 20章28節 校長 小西二巳夫

校舎2階ホールの周りに本棚を作り、中高生の時代に出会ってほしい本を中心に並べていっています。

この取り組みに賛同してくれる人から、今献金や本が送られてきています。

そのお一人が毎月本を買うための献金と、みなさんにぜひ読んでほしい本を紹介のポップカードと一緒に送ってくださいます。

今月送られてきた1冊のポップカードの言葉を紹介します。

「役に立たない知識って どうして こんなに楽しいんでしょう 入試にも就職にも関係ない でも人生がおとぎばなしだったら、ね ある日、森の中で魔女が3つの問いをだして クマの群れは SLEWTH探偵!って 答えるのって かっこいいと思わない?」。

この本のタイトルは「ライオンのプライド 探偵になるクマ」、副題に「集まると楽しくなる英語の集合名詞絵本」とあります。

前田真由美さんという絵本作家が作られた本で、表紙の裏には次のように書かれています。

「英語には動物やものの集まりを呼ぶ言葉が無数にあります。ライオンの集まりはプライド・誇り、クマは探偵、ラクダは列車、アリは軍隊、このような言葉を集合名詞と呼びます」。

英語でヘラジカのことをエルクスといいますが、ヘラジカは気性が荒く仲間同士で争うことが多いそうです。

その「ヘラジカの群れ」は「ギャング(悪党) オブ エルクス」となります。

「サイの群れ」は「クラッシュ(激突・衝突) オブ リノセロセス」。

クラッシュは激突、衝突という意味です。

「牛の群れ」は「モブ オブ キャトルズ」。

モブは携帯電話などのモバイルのことで、一般的には暴れている人の集団を指します。

牛が暴走する場面を映画などで見ることがあります。

モバイルは便利ですが、使い続けると依存症になって心が暴走してしまいます。

そういう意味で、じつにうまい表現です。

クラスターというと新型コロナウイルスの「集団感染」がすぐに思い浮かびます。

星の群れを「クラスター オブ スターズ」といいます。

みんなが落ち着いた気持ちで空の星を見上げられる時が早く来ることを神に祈るばかりです。

このように、集団・群れを表す集合名詞がそれぞれ違うわけです。

私は、この歳になるまで、英語に集団・群れを表す言葉がたくさんあるということを知りませんでした。

集合名詞があるということを考えたこともありませんでした。

この本を読み始めたら、楽しくなって、結局最後まで読み通してしまいました。

読み終えた時にこう思いました。

「英語って、こんなに楽しいもの、おもしろいものとは知らなかった」。

英語が苦手というか嫌いな私が、ほとんど初めて思った感想です。

動物の集合名詞を知ったからといって、何の役に立つかというとわかりません。

でも、役に立つか立たないかのレベルを超えて、知らなかったことを知ることはおもしろいことは確かなのです。

ムダとわかっていることを知ることは、何かワクワクします。

今日から始まる中間試験の問題を解いたから、覚えたからと言って、それが何の役に立つのでしょう。

確かに役に立たないかもしれません。

でも、ムダに思えること、役に立ちそうにならいことを学び、知ることがとても楽しくおもしろいということを知らないで済ますのはもったいないのです。

その楽しさを知らないまま学校生活を過ごすことはもったいないのです。

そのおもしろさを知らないままで卒業するのはたいへんもったいないのです。

その楽しさを知らないまま人生を送るのは一番もったいないのです。

役に立たない知識、そしてムダに思える学びが、みなさんの中で教養というものに変わっていくのです。

教養をもった人になると人生全く違うものになります。

教養は人にとって、何にも勝る生きる力でありエネルギーです。

そう考えると、今日からの3日間の一つひとつの試験に真剣に取り組めます。

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