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2020/05/18 

5月18日(月)聖書 ヘブライ人への手紙 9章28節 校長 小西二巳夫

新型コロナウイルス感染症問題が起こってから、今まで知らなかった言葉や単語が日常的に使われるようになりました。

PCR検査、ECMO(エクモ)、AED…。

生命維持装置にさまざまなものがあるように、救われる命にもさまざまあるのです。

しばらく前の新聞に大阪にある4つのオーケストラが、今回の感染症問題によって100回以上の演奏会が延期や中止になり存続の危機に陥っているという記事が載りました。

演奏会が中止になると収入がありませんが、楽団員も給料をもらわなければ生きていけません。

2月に出された大勢が集まるイベント自粛要請のため、オーケストラの演奏会などのキャンセルがどんどん増え、700以上の演奏会が中止となり、その損失は25憶円とのことです。

世界中で演奏会などのキャンセルは相次いでいますが、ドイツは日本より深刻な状況になり芸術関係の損失額は日本よりはるかに多い1兆5千億円とのことです。

ドイツの芸術関係者の生活と命はどうなるのでしょうか。

ドイツ政府は彼らのために12兆6千憶円を用意したというのです。

当分コンサートや演劇などの公演もできそうにないことを見越して、芸術家たちの活動と命を維持するために多額のお金を用意したのです。

このことについて担当の大臣は「音楽や演劇という芸術は、人類の生命維持装置です。芸術家はなくてはならない存在であり、国民のすべてにとって生命維持装置です。芸術家のような創造的な仕事をする創造的な考えが、新型コロナウイルスがもたらした危機を克服するためには必要な力です。」といいました。ドイツ在住の日本人ピアニストはドイツ政府の救済措置の発表を受けて、半信半疑で15分ほどのインターネットでの申請をしたところ、3日後、約40万円が銀行口座に振り込まれたそうです。

このことからドイツ政府が芸術の大切さを本気で考えていることがわかります。

音楽は好きな人が聴けばよい、演劇は観たい人が観たらよいという趣味の問題ではないということです。

それらがなくなれば、精神のバランスが崩れて、人間が人間でなくなるということです。

それはかつて、ナチスドイツがユダヤ人を虐殺したことへの反省から出てきた考えです。

芸術という生命維持装置は一人ひとりにだけ必要なものではなく、国に必要、そして世界に必要だということです。

芸術家の生活と命が維持されることには、もっと大きな意味がある、彼らの存在が今生きている私たちの生命維持装置そのものだということです。

直接関係ないと思える芸術の仕事をしている人が私の命を守ってくれているのです。

そのような大切なことになかなか気づけない私たちが存在できているのはなぜでしょうか。

私はそこにイエス・キリストの十字架によるゆるしがあるからだと考えています。

イエス・キリストこそ私たちの生命維持装置、私たちの今日はイエス・キリストという生命維持装置によって与えられたものです。

そう考えると無駄にはできません。

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