礼拝の話

2019/05/20 

5月20日(月)聖書:ルカによる福音書24章28~32節 長 小西二巳夫

北海道の洞爺湖を舞台にした『しあわせのパン』という小説と映画があります。
“カフェ・マーニー”というところが舞台で、そこにはいろいろな事情を抱えた人たちがやってきます。
ある1組の老夫婦が、思い出の地である洞爺湖で人生を終えようとやってきますが、カフェ・マーニーのおいしいパンに出会い、生きることを続けようと考え直します。
夫である坂本さんがカフェ・マーニーに送った手紙があります。
「私はたまたま生き残ったんやと思います。せやから“もうええやろ”と“まだまだ”の繰り返しをしていますが、とりあえず今日一日を大切にがんばろうと思います。」
わからないから、とりあえず生きてみる、今日をやってみる。
79歳の老人の言葉だけに説得力があります。
私は坂本さんの一言から、なぜ毎日お腹が空くのか、そのことの大切さを改めて教えられました。
とりあえず生きるためには、とりあえず食べなければなりません。
お腹が空くから食べます。
それがそのまま生きることにつながるのです。
おいしいと感じることで、生きていてよかったと思うことがあるのです。
食べることによって、心がふっと軽くなることもあります。
ラテン語に「カンパニオ」という言葉があります。
もともとの意味は「パンを分け合う人」という意味で、「仲間」という意味があります。
今日の箇所で、イエスは食べることの大切さを弟子たちに示されました。
あまりできがいいとはいえない弟子たちに、一緒にパンを食べることによって、「私はお前の仲間だ。これからもお前を一緒にいる。だから安心して、今日一日を、明日一日を生きなさい」と励まされたのです。
この出来事を体験した弟子たちは、お腹が空く度にイエスの言葉を思い出すことになります。
食べる度に、イエスが励まし守ってくれているのを感じることができるのです。
その励ましと守りは、お腹が空き、そして食べる、そのように今を生きている私たちにも注がれているのです。
とりあえず食べることから、とりあえず今日一日やってみる、それを自分に言い聞かせながら、新しい1週間を歩んでいきたいと思います。

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