清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2022/05/06
先日高知新聞に次のような記事を見つけました。
タイトルは『デジタル弱者に優しさを』という投稿記事でした。
内容はマイナンバーカードの仕組みについて疑問を投げかけるものでした。
日本の政府は、今年度中に全国民にマイナンバーカードを行き渡らせたい考えですが、なかなかその取得が進まないために、マイナポイントという制度を作り、取得を促しています。
チャージによって5000円分のポイントが還元される、とてもお得感のある制度なのですが、この制度が果たして本当に国民全員に等しく使えるものであるのかを問いかけていました。
田舎で一人暮らしをする母親は交付を勧めるハガキが届いたので、「お金をもらえるらしい」と喜んで、近所の人と一緒に役場に行ってマイナンバーカードを交付してもらったそうですが、その方が住んでいる田舎にはキャッシュレス決済用カードが使える量販店もコンビニもなければ、通院先の病院でもマイナンバーカードを読み取るカードリーダーが設置されていないため、保険証としても使えません。
もらえるはずの5000円分のポイントも街へ出なければ得ることができません。
この制度を考え作った都会に住んでいる中央省庁の職員の人たちや政府の人たちは、どういう思いでこの制度を作ったのか…考えれば考えるほど謎が深まるばかりです。
全ての人に等しく平等に…というのは難しいことではありますが、その制度を考える時、量販店やコンビニがない田舎で暮らす人のことや、あえてデジタル機器を持たない生活をしている人、体が不自由な人のことに少しでも思いをはせながら考えることができたなら、また違った制度ができていたように思います。
同じように、私たちもクラスで、部活動で、学校全体で、様々なことを企画したり決めたりする時、全ての人のことを思いながら、考えることが必要であるということも言われているような気がしました。
十人十色という言葉がありますが、一人ひとり顔のつくりや体格が違うように、考え方も、できることも、困っていることも違います。
コロナ禍でも、様々な立場で考え、相手を思いやることで今年度ハイキングが行えたように、互いにコミュニケーションを図りながら、相手を受け入れ、お互いのことを知ろうと努力する、それができた時、きっと良いものが生み出され、創り出されるのではないかと思うのです。
ゴールデンウィークが明けると運動部の部活動では県体があり、学校行事では学園祭に向けての取り組みが始まり、高校3年生は創作ダンスの発表会に向けた準備も大詰めを迎えます。
互いに仲間のことを思い図りながら、工夫してより良いものが生み出されることを期待して、祈りを捧げたいと思います。