礼拝の話

2020/05/07 

5月7日(木)聖書 使徒言行録 14章8~10節 校長 小西二巳夫

4月3日、星野源の「うちで踊ろう」がアップされ、その後いろいろな人が取り上げ、話題になりました。

今盛んに聞かされる言葉で一番多いのは「うちから出るな」の類いの言葉です。

家の外に出るな、を「うち」にしたのは別の意味を持たせるためです。

「うち」には家の中だけでなく、心の中、心の内側のことをいっています。

多くの人が家の中で過ごすために、外に出て働かないといけなければならない人がいます。

医療関係の人たち、スーパーなどで働く人たち、物流関係の人たち。

その人たちの心のうちに配慮するために「おうち」ではなく「うち」にしたのです。

「うちで踊ろう」のタイトルに使われているのは英語にすると「ダンス」です。

しかし、漢字にすると「躍動」の躍をあてる「おどる」もあります。

これは主に「心が躍る」のような使い方をされます。

星野さんはこの曲で、心を躍らせ、体を踊らせてほしいと願ったのです。

体を動かすと内側からエネルギーが湧いてきます。

そしてこれによって多くの人や知らない人とつながっていることが実感できます。

歌と踊りによって連なり、つながることによって、人間は生きる力を取り戻せるのです。

彼の願いと取り組みから思い出されるのがイエス・キリストと今日の聖書に登場するパウロです。

イエス・キリストは2000年以上前に活動しました。

その当時の社会には、今以上に不自由な生き方や生活をしなければならなかった人たちがいました。

希望を持てない日を過ごしていた人たちが数多くいたのです。

その人たちに「あなたはそれでいい」「あなたは何も悪くない」と言われ、あなたのしんどさや辛さを私が代わりに背負っていこうと話されました。

それによって多くの人たちの心が躍り、体も踊りだしたくなったのです。

希望が持てるようになったのです。

その呼びかけに応えた一人がパウロです。

パウロは生まれてから一度も歩いたことのない人に、あなたは歩けるといいました。

なぜ、それまで歩けなかったのでしょうか。

歩けないと決めつけていたのかもしれません。

その人はパウロの一言に、躍り上がって歩き出したと書かれています。

パウロの言葉に、その人は素直に従った結果、思いもかけないことが起こったのです。

10節に「躍り上がって歩き出した」とあります。

心の中に希望が生まれた、それによって今を生きるエネルギーが出てきたのでしょう。

休業によってみなさんに不自由で不便な学校生活を続けてもらわなければなりません。

だからといって、何もかもダメと決めつける必要はないのです。

「うちで踊ろう」の呼びかけに、素直に応えることによって元気が出てくるように、そして「自分の足でまっすぐ立ちなさい」の言葉を素直に聞こうとするなら、今この時を生きる知恵と力が湧いてきます。

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