清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2023/06/07
壁や天井に「顔」があるのを目にしたことはありますか。
「点が三つあると顔に見える」という現象を「シミュラクラ現象」といいます。
また、天井のシミが顔に見えたり、ときには影が幽霊に見えたりすることを「パレイドリア効果」というそうです。
「まじさかさじま」という絵本があります。
この絵本を描いたのは、「伊藤文人さん」です。
伊藤さんは「さかさま」をテーマに作品をつくり続けている「さかさま研究所所長」です。
上から読んでも下から読んでも同じ言葉になる「回文」や、上下逆にすると違った絵になる「さかさ絵」、「アンビグラム」といって異なる方向からも読み取れるグラフィカルな文字など、とにかく「さかさま」をテーマに作品を作り続けている人です。
「さかさ絵」の基本は、「おふざけの発見!」だと、作者の伊藤さんは言います。
しかし、物事を逆から考えるというのは、案外難しく、けれど、実はすごく大事なことのように思います。
なぜなら、人は、自分から見た方向でしか物事を考えられなくて、視野が狭くなってしまいがちで、色々な方向から物事を見るということは、何かの助けになるのだと思います。
五感に想像力を足してみると、見方を変えてみると、あるがままである以上に、本質に近づくことがあります。
紹介した写真や絵は、見方によって、実際の物とは全然違う見え方をするものでした。
多様な見方によって、いろいろな見え方があります。
そういう目で、「自分」を見つめてみたとしたら、さあ、どうでしょうか。
「自分はこういう人間」だと、思い込んでいるのかもしれないけれど、実は、周りからはそれぞれちがう目で見られている、ちがう目で、見てくれている、そんなことを、教えてくれているようです。
自分を「澄んだ見方」をすれば、自分を解放してあげることが、できるかもしれません。
自分が自分を「澄んだ目で見る」ことは、どれだけ自分を大切にするかということなのです。
自分がどんなふうに見るか、それは、自分がどんなふうに生きていったらよいか、ということにつながるのだと思います。