礼拝の話

2020/06/23 

6月22日(月)聖書 ルカによる福音書 4章40~41節 校長 小西二巳夫

日本の暖房機メーカー、コロナの小林社長がメッセージ広告を出しました。

社名のために社員の家族が嫌がらせを受けたり、差別的な言葉を言われたりすることに心を痛めてのことでした。

このメッセージ自体は心温まるものですが、このようなことを言わなければならないことを考えなければいけないのではと思いました。

コロナはもともとラテン語、そしてギリシャ語で、意味は王冠、花冠、花輪のことです。

それが、皆既月食、皆既日食などで一番外側に見える光の輪を指す意味に使われるようになりました。

コロナという会社名も寒い冬を暖房機で温かく過ごしてほしいと、太陽のコロナの輪にちなんで90年前につけられました。

1960年代に新しいウイルスが発見され、コロナウイルスと呼ばれるようになりました。

コロナは宗教にも関係があります。

キリスト教の古い絵画で顔の後ろに描かれている光の輪、仏像や仏教画の後光がさしているものコロナ・光の輪です。

このようにコロナはよい意味を指すものですが、ウイルスをそのように呼んだために問題が起き、傷つく人が出てくるわけです。

不運としか言いようがありませんが、それで終わってはいけないのです。

そこから始まることがあるのです。

新型コロナウイルスによって世界中の経済がズタズタにされました。

さらに南アメリカ、アフリカでは感染者が爆発的に増加することが予想されています。

勘違いをしてはいけないことは、距離的に遠くても、外国のことであっても、自分には関係ないと思ってはいけないということです。

関係ないと思っていても必ず関係するのが新型コロナウイルスの特徴です。

そうした現実に生きる私たちが考えなければならないことは、新型コロナウイルスに負けないためにはどうすればよいか、です。

相手が全人類を危機に陥れる光の輪なら、こちらも全人類で輪を作って対抗すればよいのです。

人が手をつないで輪を作る、というのは、自分から手を出して助け合うことです。

知恵と力を出し合って支え合うこと、自分が持っているものをそうでない人と共に分かち合うことです。

人間がお互いの違いや立場を超えて、手をつないで輪を作ることを平和と呼びます。

世界中のどの国も平和を求め、平和を否定する人たちはいません。

しかし、自分たちの正しさを主張することによって、平和を作り出せないまま来たのが人間の歴史です。

世界が自分たちの力でなかなか実現できない平和を、新型コロナウイルスに対抗することによって作り出す可能性が出てきました。

手をつないで輪を作る、その輪は平和の和に通じます。

そう考えると、私たち一人ひとりにも、それぞれ今日を生きる役割と意味が与えられていることに気づかされます。

一人ひとりが毎日きちんと検温する、周りの人の安心のためにマスクをつけることによって、感染を防ぐことができます。

それを抜きにして平和は決して実現できないのです。

小さなことに誠実に取り組む自分になりたいと思います。

イエスはそれを行う人を、神の子という最高のほめ言葉で寄り添ってくれるのです。

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