礼拝の話

2019/07/17 

7月16日(火)聖書:イザヤ書 2章4~5節 校長 小西二巳夫

私が時々読み返す本に「少年H」があります。
妹尾河童という舞台美術家が、自分の子供時代を描いた物語です。
この少年Hは日本がアメリカとの戦争を始めた1941年から1947年頃までの生活を描いています。数年前、映画にもなりました。
私がこの映画が気になったのは、Hの父親役を俳優の水谷豊が演じていたことでした。
水谷さんは子供時代、私の先輩牧師である矢島先生という方の教会に通っていました。
この矢島先生は広島で育ちましたが、戦争が始まると英語教師だった父親に連れられて朝鮮半島に渡ります。
そして、その1年後、広島に原爆が落とされ、広島では多くの人の命が失われました。
矢島先生はそうした自分の体験や戦争と平和に対する考えを後輩である私にも機会があるごとに話されました。私と同じ年齢で矢島先生の教会に通っていた水谷さんも、少年時代にそうした話を聞いていたと想像できます。
水谷さんは「少年H」について、雑誌のインタビューで次のように語ります。
「僕は敗戦の7年後に生まれたんですが、戦争というのは、人が人としていられなくなったり、持っていた価値観を全部変えられてしまうような時代だと思うんです。そういうことを表現しておきたいのは、俳優の本能みたいなものかもしれません。」
この言葉から水谷さんが平和への思いを強く持って、少年Hに出演したことがわかります。
妹尾一家がとびきり立派な一家であったのか、というとそういうことではありませんでした。ただ、他の家と違うのは、人間らしく生きるとはどういうことなのかを、親子が真面目に考えていたということです。
父親のセリフに「日本の国がこれからどうなっていくのか、お父ちゃんにもわからへん。けどな、大事なことは自分の頭で考え、行動することや」というものがあります。
情報や風潮に流されるのではなく、まず自分の頭で考えること、そして自分の考えに基づいて行動することが生きていく上で何より大切なことだということです。
平和は誰かに任せておけば守られるものではありません。
時代がこれからどうなっていくのかよくわかりません。
清和で学ぶ一人ひとりが自分の頭で考え行動できる人になってもらうためのプログラムとして夏季特別プログラムがあります。
私たちが学ぶ目的は、自分自身が平和に生きるため、そして他者と共に平和に生きられる、人間らしく生きられる社会を作り出していくためです。
そのことを目指しながら、1日1日を過ごすならば、この1週間が本当に意味あるものになっていきます。

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