礼拝の話

2024/07/19 

7月4日(木) 聖書 マルコによる福音書 7章26~28節 日本キリスト改革派 山田教会 高内信嗣牧師

週刊少年ジャンプで連載されている大人気漫画「ONE PIECE」、物語は現在「最終章」に突入しており、毎週、怒涛の展開に全世界が注目しています。

この漫画は、主人公ルフィが海賊王を目指す冒険物語です。

さて、作中で主人公ルフィが自分の「夢」について語る場面が何度かあります。

それを聞いた人たちは大爆笑していたり、唖然としたりしていますが、肝心な夢の内容については、明かされていません。

作中でルフィは、様々な人たちと友だちになります。

それは人間だけではありません。

色んな種族の人々とも仲間になります。

作中で魚人が登場します。

魚人は、古くから人間に気持ち悪がられ、差別されてきた歴史があります。

そのため、差別してきた人間に恨みと憎しみを抱えている魚人も登場します。

しかし、ルフィは種族が違うということで差別はしません。

ルフィはこのように世間から嫌われている存在も受け入れ、一つの輪を作り、みんなでどんちゃん騒ぎをし、種族など関係ありませんでした。

ルフィの夢は何かはっきりしませんが、今後も、このように支配されている人々、軽んじられている人々、差別されている人々を巻き込んでいくような「夢」であるに違いありません。

この漫画を読みながら、私たちの世界もこのようになればいいな、そのように思わされます。

「I have a dream」「私には夢がある」、これは有名なキング牧師の言葉です。

キング牧師は1960年代にアメリカにおける黒人への差別と闘いました。

彼の夢は、黒人も、白人も、何の差別もなく、平和の中で平等になる、という壮大なものでした。

人種偏見・差別を終わらせるための大きな夢を描いていましたが、今の私たちの現実を見つめると、そのキング牧師の大きな夢とはかけ離れた現状があるのではないでしょうか。

今も差別というものが完全にはなくなっていません。

差別や暴力が満ちているせかい、それが私たちの生きる世界です。

先ほどの聖書の箇所ではギリシア人の女性がイエスのもとへやってきました。

彼女の娘が苦しんでいたため、助けを求めたのですが、イエスは当時、ユダヤ人たちを中心にお働きをしていたので、まずはユダヤ人たちを中心にお働きをしなければならない、と言って、彼女の願いを退けました。

しかし、その後の彼女の祈りを聞き、一人ひとりと向かい合われたイエスの働きは、そこに留まるものではありませんでした。

世界中の人々へと広がる愛の業だったのです。

差別が無くならない世の中です。

その中で、私たちもキング牧師が思い描いた「夢」を実現するために生きていると確信したいと思います。

私たちは清和でイエスの姿を見つめる者として歩んでいます。

キリストの愛の業を携えながらこれからも世のために生きていきたいと思います。

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