礼拝の話

2022/07/19 

7月12日(火) 聖書 コリントの信徒への手紙Ⅱ 4章18節 音楽科 三浦

学校帰りに寄り道をして、帯屋町の本屋さんに入りました。7月になり夏休みが近いからか、夏休みの読書感想文向けのようなコーナーもありました。

あれもこれも欲しくなって、結局は読む順番を決められそうにないから、といったん買うのをあきらめて、家に帰ろうかとも思いましたが、結局3冊の本を買いました。

買った本のうち2冊は、サン・テグジュペリの「星の王子さま」でした。すでに持っている本でしたが、表紙が違っていたり、挿し絵もカラーと白黒とで違っていたり、何よりの違いは、縦書きと横書き、という構成そのもの、日本語に訳した人も違うということで手にしました。

この本は長く読み継がれている本で、実際には読んだことがない人でもタイトルは知っている、という本の1つではないかと思います。この本の中に「本当に大切なものは目に見えない」という言葉が出てきます。

わたしたちはたくさんのものに囲まれて生きています。「星の王子さま」のこの、「本当に大切なものは目には見えない」という言葉は、何を表しているのでしょうか。目に見えるものが大切ではない、ということをいっているわけではないでしょう。

王子さまはある星で暮らしていました。そこでは、1輪のきれいな花と一緒に過ごしていました。ありったけの愛情を注いで、きれいに咲くのを楽しみにしていて、咲いてからは花が枯れないようにずっと世話をして過ごしていました。そのような日々の中で、王子さまは他の星に旅立つことを決めますが、最後の最後まで花の心配をしながら旅立ちます。そして、他の星をめぐる中で、この花が自分にとって愛情を込めた大切な花だったことに気づきます。

これは、近くにいてはわからないことでした。離れてこそわかる、相手と自分との距離感、関係性というものでした。愛情、友情、親愛など、気持ちの多くは目で見ることはできません。でも、その1つ1つはわたしたちの声、表情、態度を通して、わたしたちは感じあい、その1つ1つを通して、私たちはお互いを理解しあおうと努力します。そのことそのものは、目にはみえないことでしょう。でも、無意識に分かる形にしていることはいろいろあります。

あいさつや感謝の言葉、謝罪の言葉をきちんと相手に伝えること。口から出る言葉、音声は目にみえるものではありませんが、きちんと相手に伝えることで関係性を保つことができます。そして、にっこり微笑むこと。これは目に見える形として、相手に自分の親愛の情を伝える手立てになります。

今日は試験が返却されます。目に見える形で1学期の学習の結果を手にすることになります。でも、その奥には、目で見ることができないたくさんの事柄が詰まっていることでしょう。1学期をどのように過ごしてきたのか。どのように学習に取り組んできたのか。自分はこれからどのように歩んでいきたいのか。わたしたちは日々の積み重ねで生きています。1つ1つの事柄を大切にすることで新しい1日が、新しい学びが得られます。

目に見えるものがあふれる世界で、目に見えないものの大切さを感じ続けることは難しいことかもしれません。でも、それを感じ続ける感性を養い続けたいと思います。

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