礼拝の話

2024/09/10 

9月3日(火) 聖書 ローマの信徒への手紙 15章7節 社会科 山脇

今日9月3日を調べてみると、ホームラン記念日ということが分かりました。

今から50年前の1974年11月に日米野球が開催され、多くのメジャーリーガーが来日し、日本プロ野球選抜チームと試合を行い、その時に王さんとハンク・アーロンによるホームラン競争が行われ、1本差でアーロンが勝ちました。

王さんはその年にベーブ・ルースの記録を抜いてメジャーリーグのホームラン記録を打ち立てたハンク・アーロンのことを「本当のジェントルマンだった」と言いました。

ハンク・アーロンの前の世界記録はベーブ・ルースという人が持っていました。

ベーブ・ルースは「野球の神様」と呼ばれる伝説的な選手です。

白人のベーブ・ルースの記録を黒人のアーロンが抜くということを素直に認められない、そのような人は多くおり、ベーブ・ルースのホームラン記録にあと41本に迫った1973年のシーズン、偉大なベーブ・ルースの記録が破られるかもしれないという状況に対して、あからさまな憎悪や不快感を示す人が日に日に増えていったと言います。

ベーブ・ルースの熱狂的なファンからの中傷や脅迫も相次ぎ、そのなかには殺害予告まであったと言います。

スヌーピーが登場することで知られるアメリカの漫画『ピーナッツ』の作者、チャールズ・シュルツはこのような状況を見て、何とかしたいと思ったのでしょう。

スヌーピーがベーブ・ルースのホームラン記録に迫るという内容の話を描いています。

スヌーピーがホームランを連発し、いよいよベーブ・ルースの記録に迫ると、スヌーピーの元には「ハンク・アーロンがベーブ・ルースの記録を抜くのはいいが、スヌーピー、お前はだめだ!」という抗議の手紙が殺到するという内容です。

最終戦を迎え、スヌーピーはベーブ・ルースの記録にあと1本まで迫り、9回2アウト、ランナー2塁というチャンスでスヌーピーに打順が回ってきます。

スヌーピーがここでホームランを打てばベーブ・ルースの記録に並ぶのですが、セカンドランナーのチャーリー・ブラウンが牽制球でアウトになり、そのままゲームセット。

スヌーピーは記録達成を逃すというお話ですが、この話のなかで作者のシュルツは、ハンク・アーロンへの誹謗中傷をやめてほしいという思いを、スヌーピーというキャラクターを通して読者に伝えたかったのかもしれません。

『ピーナッツ』を始め、新聞などでもハンク=アーロンへの中傷や脅迫が起きていることが報道されると、アーロンのもとには励ましの手紙が届くようになりました。

その数は93万通、当時の郵便配達記録になるほどの励ましの手紙でした。

今、日本人選手が活躍しているのを見ても何の違和感もありませんが、人種や国籍の違いを越えて純粋にその人を評価する、お互いに尊重し合う、そのような土壌が長い時間をかけて築かれていったことを、王さんとハンク・アーロンの交流からも感じます。

今日の聖書箇所には、「キリストがあなたがたを受け入れてくださったように、あなたがたも互いに相手を受け入れなさい。」とありました。

この手紙を書いたパウロは、イエスを信じるローマの人々に向けて、互いに愛し合うことと、相手を受け入れることを、これらの箇所で伝えました。

批判に対して批判で応えるのではなく、相手の思いを受け入れること、互いに尊重し合うことがイエスの求めていることだと、パウロは言います。

なぜならイエス・キリストが罪の多い私たちを、それでも受け入れてくださったからです。

そこには性別や人種や国籍の違いはない、と聖書は語ります。

これから本格的に二学期の歩みが始まっていきます。

二学期は多くの行事が予定されていますが、日々の学校生活を送るなかで、お互いに思いを受けとめながら、一歩ずつ歩んでいきたいと思います。

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