礼拝の話

2019/09/05 

9月2日(月)2学期始業礼拝聖書 ヨハネの手紙Ⅰ 3章16~18節 校長 小西二巳夫

昨日9月1日は防災の日です。
これは96年前の1923年9月1日に発生した関東大震災に因んだものです。
関東大震災では自然災害と人間の過ちによって、たくさんの命が失われました。
防災を考えるときに、人間に防げることがあるとしたら、それは被害を小さくすること、そして、間違った判断をしないことです。
失ってからそのことの大切さに気づかされるということも少なくありません。
聖書の授業のレポートに「幸せになるためには何をしたらいいですか」という質問がありました。
その時、私は“タラブックス”について書かれた本を読んでいたので、そのことに触れながら書きました。
“タラブックス”というのは、本にするまでのすべてを自分たちで作るという世界的に有名なインドにあるにある社員50人の小さな出版社です。
手作りですから、注文してから手に入るまで相当待たなければなりません。
機械化すればもっと利益がでるのですが、それはしません。
それにははっきりとした理由があります。
「大量に作って大きな利益をだしても、自分たちは幸せを感じられない」からです。
毎日の生活の中にある小さな喜びや出会いを感じることはできない、というわけです。
会社を大きくすることで、なんでわざわざ小さな幸せを手放さなければならないのか、そんな必要はない、というのです。
そこで、会社は小さくていい、という選択をしたのです。
清和はある時期に小さな学校、小規模のままでいることを決めました。
大きくなることを第一に考えると、一人ひとりの成長と変化を見過ごしてしまいます。
変化には見える変化と見えない変化があります。
見えない変化をトランジット、トランジションといいます。
トランジットの最中というのは、実はその人が悩んでいるとき、苦しんでいるとき、自分の存在の大切さがわからなくなっているときです。
そのトランジットを周りが感じるためには、小さな学校、小人数でなければならないと清和は考えたのです。
質問をした人のレポートには「だから安心して悩んでください」と書きました。
防災ということがお互いの命を守ることを出発にしていること。
自分の命と存在が大切にされる中で、悩みや自分が分からなくなっていることが実はトランジット、目に見えない成長の中にあること。
それを忘れずに、学校生活の中にある小さな喜びを見つけるように一日一日を過ごしていくならば、この2学期が実に幸せな時となることは間違いありません。

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