礼拝の話

2020/09/24 

9月24日(木)聖書 ヨハネによる福音書 8章32節 国語科 田野

私の通っていた大学の建物の壁にラテン語で「真理はあなたたちを自由にする」という意味の言葉が書かれていました。

「いかにも大学らしい言葉だなぁ」「大学は真理の探究の場であり、そこで見つけられた真理は私たちの活動をより自由にさせてくれるのだ」と思いました。

この「真理はあなたたちを自由にする」は、図書館と大きなつながりがあります。

1948年に公布された国立国会図書館法の前文に、「国立国会図書館は、真理がわれらを自由にするという確信に立って、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される」とあります。

戦前・戦中の日本は、法律の範囲内でなければ、自由にものを考えることもできませんでした。

現代では「知る自由」があり、さまざまな考え方に触れて、自由に考えることもできます。

その自由を保障する箇所に、今日の聖書の箇所は使われています。

「知る自由」が保障された現代では、読書離れが進み、大学生の約半数は1日の読書時間がゼロという結果が出ています。

知りたいことがあればインターネットで情報収集するから、読書は必要ないということなのでしょうか。

そのようなことで、真理の探究ができるのでしょうか。

「真理とは何か」ということが直接わからなくても、真理に近づくために必要なものがあります。

それは言葉です。

私たちは一人ひとりがもつ言葉によって、世界をとらえていかなければならないのです。

世界を正しくとらえることで、真理へと近づくことができます。

言葉の力を鍛えることは、真理を探究するために大切なことです。

言葉の力を鍛える1つの方法として、読書はやはり外すことができないものです。

インターネットによる情報収集は、新しい情報が手に入る反面、情報の正確性、信ぴょう性が問われ、その情報を収集する人に都合の良いものしか目に留まらない、という問題点もあります。

断片的で自分に都合の良い情報だけを使っていくと、自分の考えは全く深まりません。

本を開き、自分の言葉の力で、読み進めていくこと通して、より自由に行動できる力を得られるように思います。

多くの本がある中で、どのような本を読んだらよいかわからないという人もいると思います。

そのような人にアドバイスがあります。

図書館に行き、書棚を眺めてください。

そして、目に留まった本をぜひ手に取って、開いてください。

たった1冊の本によって、世界が開けることもあります。

読書をすること、言葉の力を鍛えることを通じて、豊かな地への道を、今日も歩んでいきましょう。

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