清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2025/12/01
聖書 ルカによる福音書 2章8~12節
今から40年前、京都の教会の牧師をしていた時のことです。
同志社高校というキリスト教の学校の聖書の先生が病気になったので、代わりに教えることになりました。
ある日の授業で1人の生徒から、イエスの誕生の場面について、マタイとルカ、どちらが正しいのか、と質問されました。
私はこの質問に「ようわからん、どっちでもいい。どっちもいい」と訳の分からないような答えをしました。
福音書に書かれている事柄を歴史的事実と照らし合わせて読むと、所々ずれや正しくない時間の流れを感じる部分があります。
でも、物事には白か黒か、〇か×かはっきりさせる必要がないこともあるのです。
白黒を付けようとすることで、却って大事なことを見失うこともあるのです。
その代表がイエスキリストの誕生の出来事だということです。
イエス・キリストが生まれる頃のユダヤは人々にとって暗黒の時代でした。
マタイはイエス・キリストを暗闇、暗黒の時代を昼間のようにパッと明るく変えてくれる太陽のような存在と考えて書き記し、ルカは暗い夜をそっと照らす月のような寄り添う存在として、イエス・キリストが誕生したことを伝えようとしたのです。
月の輝きは暗さの中で一人ひとりの心の中をぽっと明るくしてくれる小さな光です。
太陽の光のような強い輝きを持った存在が必ずしも社会を救うものでもなく、平和をもたらすものではありません。
私たちはそのことを、他国を侵略する大国の大統領や、私のすることに間違いはないすべて正しいと言い切る国の大統領などのトップリーダーの姿から教えられています。
繰り返しますが、月のように一人ひとりの心の中に小さな光と希望を与えてくれる存在にこそ、本当の救いをもたらすことをルカは教えてくれているのです。
それに気づくことで、今年のクリスマスは今まで以上に大きな意味を持つことになります。
