礼拝の話

2023/07/12 

7月10日(月) 聖書 ヨハネによる福音書 1章1~4節 校長 小西二巳夫

シャーマン・アレクシーというアメリカの作家がいます。

彼の作品に『はみだしインディアンのホントにホントの物語』があります。

この本はアレクシーの高校生活が描かれている、いわゆる自伝的物語です。

アメリカの先住民族は今も200近くの民族がいますが、アレクシーはその中でも少数のスポーケン族の子どもとして保留地で生まれ育ちます。

しかも、アレクシーは難産で生まれたため、実にアンバランスな体つきをしていることもあり、いろいろなことがからかいの材料にされます。

アレクシーは2重3重のしんどさを抱えて、将来はないとしかいいようがない毎日ですが、それを大きく変える出来事が起こりました。

それは、保留地のハイスクールの先生から、保留地の外にある白人が通う学校に行くように勧められたのです。

その学校に行けば、今までのいじめや差別がなくなるということではありません。

貧しい生活をしている先住民族の高校生が白人の学校に通うというのは、今まで以上にさまざまな差別を受ける可能性があるということですし、実際そうなりました。

新しい学校の生徒の多くから無視をされたり、悪口を言われたりしましたが、アレクシーをさらに悲しくさせたのは、保留地の仲間から、白人の学校に移ったために、裏切り者と呼ばれることでした。

自分を大きく変えたいと願った彼の夢は見事にうち砕かれていきます。

アレクシーのすばらしいのはそこで終わらなかったということです。

彼は自分を急に大きく変えることはできなくても、小さく変えることはできることに気づくのです。

「こっちが少し心を開けば、すばらしい出会いがあるかもしれない」と。

いくつもの出会いを通してアレクシーが学んでことは、どんなにしんどいように思えても、毎日が絶望的に見えたとしても、生活の中には必ず何かちょっとした喜びや笑いがあることでした。

それを確かめるためにアレクシーは項目ごとのリストを作ります。

その一つが「自分の人生にちょっとした喜びをもたらしてくれた人リスト」です。

それによってわかったこと、それは自分の身近にいる人こそが自分に喜びをもたらしてくれるということでした。

言い方を変えれば、身近にいるその人は、神が自分を幸せな気持ちにしてくれるためにわざわざ用意してくれているのです。

性格が合わない、どこか好きになれないその人も、また神が送ってくれた大切な人なのだということです。

絶望的にしか見えない状況を希望に変える一番の力は、彼は「考えることができる」少年であったことです。

「考える」、それは意識するしないにかかわらず誰でもしていることです。

でも考えることを自分の生きる力にできるかできないか、そこに決定的な条件があります。

それをアレクシーが教えてくれています。

インタビューの中で彼は次のように言いました。

「本を読むこと、そして言葉を学ぶことは自分を守るための力になります。本を十分に読んでおけば、闘えるチャンスが出てきます。もっと言えば、本を一冊読むごとに、生き延びるチャンスが増していくのです」。

さらに次のようにも言いました。

「本を十分に読んでおけば、自分とそして様々な困難と闘えるようになる」

本もさまざまです。

2階ホールの本棚には200冊近くが並んでいます。

その中でまず選ぶとしたら、それは本の中の本、ザ・ブックと呼べるものです。

ザ・ブック、それを日本語にすると聖書です。

清和の一日はこの場所での聖書の言葉を読むことから始まります。

ただ、そのことが恵まれたことと受けとめることができるかどうか。

自分の人生に関わっていると考えられるかどうか、それはあくまで自分次第です。

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