礼拝の話

2024/07/19 

7月8日(月) 聖書 ヘブライ人への手紙 7章22~25節 校長 小西二巳夫

学校の前の田んぼをテリトリーにしている2種類の鳥がいます。

一つは羽が白いので一般的にシラサギと呼ばれるダイサギかチョウサギです。

それからもう一つはアオサギです。

アオサギは国内最大級の鳥です。

体の大きさは90㎝を超え、羽根を広げると1.5mにもなります。

種類の違う2羽のサギは微妙な距離をとって、田んぼの中にいます。

去年あたりからアオサギが、日本だけでなく世界で脚光を浴びることになりました。

宮崎駿監督の映画「君たちはどう生きるか」に登場したことによってです。

予告などを一切しなかった「君たちはどう生きるか」が唯一事前に公表したポスターに描かれていたのはアオサギです。

「君たちはどう生きるか」は日本だけでなく、多くの国で関心が持たれました。

宮崎監督が「君たちはどう生きるか」でテーマにしたのは、これまでの作品と同じように「戦争や環境」の問題です。

そして、一人ひとりが平和に生きるためはどうすればいいのかです。

戦争や紛争状態にある国や地域は数年前からどんどん増えています。

2017年の統計によると、戦争や紛争、テロによって命が奪われる人が世界で約10万人でした。

驚くのは、何かの理由で個人の命を奪う「殺人」で亡くなる人の数が50万人と、戦争や紛争の犠牲者の5倍だと言うことです。

殺人を犯す大きな原因は貧しさだと言われています。

それは「主の祈り」に出てくる「日曜の糧」、つまり毎日の生活に必要な食べ物やその他のものの欠乏によるものですが、それだけではなく、心が貧しい状況にあることも大きな原因と言われています。

聖書はそれを「人はパンだけで生きるのではなく、人は主の口から出るすべての言葉によって生きる」と表現しています。

そうした今の世界が抱える問題について、どう生きて行けばいいのか、何が本当の幸せで、何を大切にしていかなければならないのかを、映画を観る人に考えさせてくれる重要な役割を果たしたのがアオサギです。

「君たちはどう生きるか」のアメリカ版タイトルは「ザ・ボーイ アンド ザ・ヘロン」、フランス版では「ギャルソン エ エロン」です。

どちらも「少年」と「ヘロン」となっています。

少年は主人公の真人、そしてヘロンはアオサギのことなのです。

タイトルもそのまま「ヘロン」という曲があります。

出だしは「どんなにさみしい夜も やさしい声が聞こえる」です。

私たちは家族がいても、友だちがいても、時には自分は一人だと孤独を感じる時があります。

このままどうにもならない、お先真っ暗、すべて終わったと思う時があります。

けれど、そんな時にも必ず、やさしい声でささやきそばにいてくれる存在がいるのです。

歌詞の中の「太陽のリボン」は、すべて真っ暗と思っても、一筋の光が必ず差して来ると教えてくれます。

真ん中あたりに「すべての孤独な人よ、涙は言霊になる」とあります。

意味は「あなたが悲しみによって流す涙、あなたの言葉にならない言葉は、ある存在によって必ずかなえられる、実現する」ということです。

それを実現してくれるのは誰なのか、そのことを教えてくれるのがヘブライ人への手紙です。

ヘブライ人の手紙に登場するイエスは、2000年の時を超えて、今の私たちのところにも、「君たちはどう生きるか」のアオサギが時間を超えて真人を導いたように、そして「君たちはどういきるか」のように作品の中の話ではなく、現実の中で私たちを導いてくれるというのです。

そのことを心のよりどころとして、期末試験、そして今週1週間、目線上げて、同時に心も上げて、共に歩んでいきたいと願います。

学校生活の様子

学校生活一覧へ

学校生活|高校一覧へ

学校生活|中学校一覧へ

礼拝の話一覧へ

中学・高校 学年の通信から一覧へ

クラブ活動一覧へ

▲ページトップへ