礼拝の話

2026/05/11 

校長 小西二巳夫

聖書 コロサイの信徒への手紙 1章16~17節

連休中に牧野植物園に行って、今開催中のボタニカルアート展の会場に置いてあったある本を見つけました。
ボタニカルアートは植物を正確にそして芸術的に美しく描く植物画のことです。
私が会場で見た本を書いたのは16世紀のドイツのマリア・ジビエラ・メーリアンという植物や昆虫などを描く人です。
彼女は13歳のころから、昆虫が次々に変身していくのをじっと観察して、それをていねいに写生するのが大好きでした。
マリア・ジビエラのことを書いた本のタイトルは『蟲愛ずる人』です。
虫が3つの蟲という気持ち悪さを感じる漢字に、愛するの愛を書いて「蟲愛ずる」です。
愛ずるという動作には、パッと見て好きか嫌いかを決めるということはありません。
愛ずるはじっと見る、ていねいに見ることなのです。
じっくり見ようとすると、パッと見ただけの時には見えなかったものが次々に見えてくるのです。
パッとではなく、時間をかけて見ることによって、虫に限らず、人も含めた命あるもののすべての、それぞれの存在がいかに素晴らしいかがわかってくるのです。
今の私たちに欠けているのは、そういうじっくり見るというものの見方です。
私たちを、この見方で見てくれるのが聖書に出てくるイエスです。
イエスが、私たちに願っていること、それは私たちが「蟲愛ずる」まなざしをもつことです。
蟲愛ずる目で、自分自身を、他の人を見ること、そして世界を見ることです。
それが本当の豊かさをもたらしてくれます。

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