学校案内

建学の精神・歴史

清和は119年前にアメリカの女性宣教師アニー・ダウドによって設立され、キリスト教を土台に女性教育をおこなう学校として出発しました。建学の精神の「心の清い人々は、幸いである。平和を実現する人々は、幸いである。」です。

清和はキリスト教が持つ普遍的な価値観や人間観を学ぶことを通して、生徒1人ひとりが人間らしい人間になることを教育の中心に置いてきました。同時に他者と共に平和な社会を作る一員となることを願いつつ教育に取り組んできました。人間らしい人間とは他者や社会の痛みや悲しみに、そして喜びを共感できる人になることです。キリスト教はそうした感性と想像力を身につけることで、自らの人生を喜びにあふれたものにすることができると考えています。

「本格的で先進的な教育」を行うために「小人数」の学校であり続けた清和

高知市助役の祝辞は聖書の言葉を引用されたようです

 1901年に清和の前身となる高知女学会を創立したアニー・ダウド先生は、30数年後に女子教育に携わった業績を認められて高知市から表彰を受けます。当時の高知市の馬場助役は、表彰にあたって次のように述べられました。 「いかなる大厦高楼もこれを支えるのは、只かくれた隅の親石である。今表彰されたダウド女史は50年に垂々とする奉仕の生涯であり、正に隅の親石の如きものである」。

 「隅の親石」とは聖書に出てくる言葉です。馬場助役は、マタイによる福音書21章の「ぶどう園と農夫のたとえ」を引用して祝辞を述べられたわけです。この箇所には「家を建てる者の捨てられた石、これが隅の親石になる」と書かれています。「捨てられた石」とは、当時の社会で片隅に追いやられ、存在価値がないとされていた人々のことです。出自や職業によって差別を受けていた人々、貧しさゆえに宗教的ルールを守ることができなかった人々、病気やけがによるハンディキャップがある人々です。ダウド先生は、清和の1人ひとりの存在を大切にする30数年の女子教育が、「隅の親石」という言葉で、高知市をはじめとする地域からも受けとめてもらえたと喜ばれました。そしてそれまで以上に謙遜な心と姿勢で女子教育に励むことを決意されました。

清和は「全人教育」と「アクティブ・ラーニング」を先進的に行っていたようです

 日本の教育界に大きな影響を与えている人に小原國芳がいます。小原先生は、全国の学校や教育機関に多くの人を送り出している玉川学園の創設者です。小原先生の教育は「全人教育」と呼ばれています。これは、学問・徳・芸術・宗教・身体・生活などの分野を広く学ぶことで、バランスのとれた人間が育つという考え方です。これを小原先生が提唱される30年以上前に、高知女学会(清和)は同じ考えで教育に取り組んでいたのです。高知女学会の1週間の時間割を見てみますと、労働と家庭生活に必要なこと、聖書、音楽、読み書きとバランスよく組まれていました。「全人教育」という言葉が知られる前に、そのことの大切さをわかって実践していたのです。さらに興味深いのは、学び方も教師から生徒へ一方通行ではなく、問答形式が取り入れられていたことです。今、国は自ら主体的に生き社会を支える人材を育てるために、学び方を大きく転換して「主体的・対話的深い学び(アクティブラーニング)」を行うことを求めていますが、高知女学会(清和)の授業は120年近く前から、それを日常的に行っていたのです。小さな学校であるにもかかわらず、清和がそうした本格的で先進的な教育を行うことができたのは、「小人数」の学校であり続けようとしたからです。小さい単位で1人ひとりを受けとめるためには小人数であることを含め、小規模の学校であることが理想とされます。清和はその教育の理想を捨てなかったのです。今も、そしてこれからもその延長線上に清和の日々の教育は営まれていきます。

 

 

 

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