清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2022/11/30
世界最大のスポーツイベントは、現在カタールで行われている「サッカーワールドカップ」です。
なぜサッカーワールドカップがそれほどまでに注目を集めるのでしょうか。
それは、ほぼ全ての国でサッカー、フットボールが行われているからです。
なぜサッカーがどの国や地域でも、愛されるスポーツなのかはっきりとした理由は分かりませんし、「これだ」と断言できるものもありませんが、たぶん、ボール1つあればできるからではないかと思うのです。他に道具はいりません。
ボールを蹴れるスペースがあり、ボールが1つあれば、サッカーはできます。1人でも壁を相手にボールを蹴れますし、リフティングもできます。2人以上集まればパスを出しあえますし、人数が増えれば試合もできます。
ただ、理由はそれ以外にもありそうです。古来より、人は1つのものを追い、時には奪い合ってきました。本能的にそのような感情が、人間の中には組み込まれているのかもしれません。
そしてそのような感情は、試合をしている選手だけでなく、試合を見ている人々の心をも大きく震わせるのでしょう。
サッカーを応援する人々のことを「サポーター」と言いますが、どこの国のサポーターも本当に熱狂的だなぁ、とサッカーの試合を見ると思います。サッカーは前後半45分ずつと時間が決まっていて、アディショナルタイムを加えてもだいたい100分ですが、絶えず攻守が入れ替わるので、油断できません。試合時間も決まっていて、最初から最後まで気が抜けないので、サポーターも熱狂的になるのかもしれません。
ワールドカップで話題になっているのが日本人サポーターのごみ拾いです。これは、前回のワールドカップでも話題になったのですが、今回、ワールドカップが開催されているカタールでも驚きとともに報じられています。ワールドカップの開幕戦は、開催国カタールとエクアドルの試合でした。その後、日本人のサポーターがゴミ拾いをしていることがSNSで話題となり、大会運営員会が日本サポーターを表彰したことからも、いかに多くの人の心を動かしたのかがわかります。
とはいえ、SNS上には彼らの行為を誹謗する書き込みがあるのも事実です。しかし、実際にゴミ拾いをしていたサポーターの一人がカタール人の問いかけに、「自分たちの周りのゴミを集めておけば、スタジアムの清掃員さんも家に早く帰れるでしょう」と言った、この一言が全てなのだと思います。日本人サポーターのゴミ拾いには、純粋に、その日一日の感謝の気持ちがあったのだと思うのです。その後、問いかけたカタール人が日本人サポーターにハグをしている様子がSNS上にアップされました。
今日の聖書箇所には「利己心や虚栄心からではなく、相手のことを考え、注意を払いなさい」とありました。自分のことはもちろん、それだけでなく相手にも心を配って行動することを、今日の聖書は教えてくれています。そのことによって、自分も周りの人も気持ちよく一日を過ごせるということを、ワールドカップでのサポーターの行動から、そして今日の聖書箇所から感じました。