清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2022/12/05
清和は毎年この時期に、毎朝の礼拝後のグラウンド周辺のランニング・ウオーキングを2週間続けた後に学校の外のコースを使って「清和RUN」を実施しています。
いつもとは違う風景の中を、風を感じながら走る・歩くことによって五感が研ぎ澄まされていきます。エイド・ステイションでの楽しみや安全確保のためにコース上に立ってくださる地域の方からの声掛けなどによって、内側からエネルギーが湧いてくるのを実感できます。終了後には走る・歩くによって、何を見たのか何を感じたのかをレポートにして提出してもらいます。今年は11月22日に実施しました。初めて参加した教員に感想を書いてもらいました。
清和RUNの感想 体育科 森田眞麻
11月22日(火)、無事に清和RUN2022を開催し終えることができました。天候が心配される中、なんとか持ちこたえた空模様。
午前中の生徒たちの様子はやはりどこか緊張していて、「先生、ちょっと不安です。」と、走る前につぶやいた生徒もいました。「大丈夫!」と励ましながらも正直、頭の片隅で全員が無事にゴールできるのかどうか、心配という文字が消えませんでした。しかし、そんな杞憂は、本当に取るに足りないものであったことは言うまでもありません。スタートのホイッスルが鳴るとともに、一人ひとりが、それぞれのペースで走り出しました。
マラソンは、どうしても弱い自分の心が浮き彫りになる競技です。「苦しい、つらい」「止まってしまいたい」「歩いてしまいたい」そんな弱い自分の心に葛藤し、自分と戦い、呼吸を荒げながら懸命に走る生徒の姿が、そこにはありました。
さらに、巡回しながら生徒たちを見守る中で、「あそこの電柱まで頑張ろうや!」「私らめっちゃ頑張っちゅうで!」「もうちょっと、頑張りましょう。いけます!」という声が。自分を鼓舞するのでも大変なはずなのに、隣を走る友人に、後輩に、先輩に、自分の辛さを吐き出すのではなく、励ます声が沢山聞こえてきました。自分が辛い時に相手に優しさを持つこと、自分ではなく相手の辛さを感じ取り、励ますこと。生徒たちの底力を、確かに感じました。
そんな生徒たちの熱が広がっていったのか、全員無事時間内に走りきることができました。世の中には走ることよりも辛く苦しいことが沢山あります。逃げ出してしまいたいと思うこともこの先何度もあることでしょう。しかし、今日という日の出来事は、少なからず未来の自分の心を奮い立たせてくれるものになるのではないでしょうか。最後の一人が向かうゴールで、溢れんばかりの声援を送る生徒たちや先生方の光景が、今でも目に焼き付いています。
本当に、本当に、ナイスラン‼