入試情報

受験生と保護者のみなさんへ 10月オープンスクール(中学生対象)の話から

しばらく前のことです。夕方、出張から帰ってきて職員室に入りました。

先生たちが楽しそうにワイワイ言いながら何かを見ていました。

帰ってきた私を見つけて「校長先生、コレコレ」と見せてくれたものがあります。

手作りの冊子の表紙に「先生イラスト集」とあります。

その下に描かれているのは私のようです。

両手を上にあげて、吹き出しに「アーメン」とありますから間違いありません。このポーズは入学礼拝や、卒業礼拝の最後に祝祷というお祈りをする時のものです。

しっかり見られているということです。

着ている服はネイビーのジャケット、ネクタイは斜めのストライプです。

私のふだんの服装です。

 

「先生イラスト集」は中学2年生の生徒の1人が、清和の先生たちをデザインにして描いてくれたものです。

それを自分のお金でコピーし、冊子にして先生たちに配ってくれたのです。

2ページは教頭で、音楽の先生です。

授業中のセリフ「もっと声出して歌いなさい」を関西弁にして書いてあります。13ページは今年度から教えている英語の若い先生です。

この先生は、大きすぎるくらいの声で授業をします。

それを「はろー、えぶりわん」と太字で大きな文字にすることによって表しています。

隣のページも英語の先生です。

吹き出しは「キティしか勝てん」とあります。

この先生、キティちゃんが大好きです。

つまりキティちゃんには弱いけれど、他には負けるものがない最強の先生、そう表現しているのです。

言葉のチョイスもなかなかのものです。

もう1つ紹介したいのが4ページの先生です。

クラス担任です。

ニコニコとした表情で、頭の左側には王冠がついています。

自分たちの面倒をしっかり見てくれているという意味でしょう。

しかし右側はブチっと切れて、出ているのはツノでしょう。

やさしさと厳しさの両方で、自分たちの存在を包容力でもって真正面から受けとめてくれていることを、両手を広げるポーズで表しています。

担任の先生と自分たちの関係を見事に描き切っています

 

どの先生もキャラクター化されています。

でもバカにするような、笑いを取るためにデフォルメしているのではありません。

それは、それぞれの先生の個性を受け入れてくれている描き方からもわかります。

リスペクトをもって描いてくれているのです。

仕事から帰ってきた娘が表紙の私を見て言いました。

「父さん、髪の毛こんなに多くないよ。この子、気を使って描いてくれてるなぁ」。

 

イラスト集を見ながら思い出したことがあります。

私は高知に来るまで、他の県のキリスト教の学校で16年校長をしていました。

毎年今頃になると、個人的な学校見学に来られる人たちがたくさんいました。

その中にある中3の男の子がいました。

その子は担任の先生のある一言のために中学校に行けなくなりました。

その子はパソコンを使ってデザイン画を描くのが好きでした。

そこであることを密かに思いついたのです。

3年生全員で100人以上いたようですが、それぞれの顔とポーズをパソコンで描いて校舎や体育館、グラウンドにはめ込んだものを作ることにしたのです。

時間をかけて制作した作品をクラスのみんなに見せている時のことです。

そばを通りかかった担任の先生がいいました。

「こんなことをする時間があったら、もっと勉強しろ、ろくな高校に行けないぞ。」

その子は次の日から学校に行けなくなりました。

担任の先生は悪気があって言ったのでないと思います。

「時間を大切に、しっかり勉強しなさい」と励ますつもりで言ったのでしょう。

 

ふっと思いました。

清和の先生がその場面に出会ったら何というだろうか。

たぶんこう言うでしょう。

「すごいな、どうやって描いたの。私はどこ、私も描いてよ。お願い…」。

清和の先生と、その中学生の先生の間に大きな違いがあるとは思えません。

ただ、大切にするものが違うことは確かです。

先ほど紹介した中3の男の子の担任は、時間を大切にしなさいと言いました。

清和も時間を大切にしましょうと言います。

でも同じ時間であっても、大切にする時間に違いがあるのです。

 

フランスのジャネという哲学者が、世の中には大人の時間と子どもの時間の2つの時間が流れているといいました。

大人の時間というと、子どもは早く寝なさい、夜は大人の時間であって大人には大人の時間がある、そんな言葉が思い浮かびます。

でもここで言っているのはそんな抽象的な話ではありません。

1日は24時間、1年は365日です。

人によって違う、学校によって違うということはありません。

しかし、時間の過ぎ方は年齢に反比例するというのです。

これを哲学者ジャネの名前を取って、ジャネの法則と呼んでいます。

ジャネの法則によると、中学生のみなさんの年齢を14歳にして、68歳の私と反比例させると、私の一日はみなさんの5倍のスピードで過ぎていることになります。

逆に、みなさんは私の5分の1の速さでゆっくり時間が過ぎていることになります。

 

そうすると、納得できることがあります。

それは大人や先生の、早くしなさい、グズグズしないでという口癖です。

言われたことがないという人はまずいないと思います。

中学生のみなさんからすると、自分はふつうにしているのに、大人や先生からすると、グズグズ、ダラダラしているように見えることがあるのです。

これはいい意味にとれば、早く成長してほしいという励ましなのですが、言われた方は先ほどの中学校に行けなくなった人のように、きびしく叱られた、ダメな人間だと言われたと受けとめてしまうのです。

そこで考えたいと思います。

私より時間が経つのがゆっくりということは、私より4倍も5倍もたくさんいろんなことが体験できるということです。

その意味で、今みなさんは大変幸せな時間を過ごしているのです。

にもかかわらず、今の自分に幸せを感じられないとしたら、それは勉強だけを4倍・5倍させられているからかもしれません。

確かにそうだと思います。

勉強だけを4倍・5倍でさせられたのでは、学ぶことが好きになれるはずがありません。

多くの学校は無意識に、生徒1人ひとりを早くしなさい、ダラダラするなという言葉でもって大人の時間に押し込めているのです。

知らず知らずのうちに、人間にとって一生ものである学ぶ楽しさを奪い、勉強嫌いを作り出しているのかもしれません。

 

「清和にはゆっくりした時間が流れている」とよく言われます。

それを別の表現にしたら、清和は子どもの時間を大切にしている、ということなります。

それから、清和は1人ひとりの存在を大切にする学校だと言われます。

「1人ひとりの存在を大切にする」を別の言い方にすると、やはり子どもの時間を大切にするということなのです。

初めに紹介をした、先生のイラスト集を描いた生徒は、子どもの時間を大切にされているから、創造的で周りの人の心を温かくしてくれる作品を作り出すことができたのだと思います。

子どもの時間が大切にされるというのは、安心して学べる、学校生活をじっくり過ごせる、ということです。

さらに、子どもの時間が大切にされるということには続きがあります。

時間がゆっくり動いていのは、それに見合うだけの体験をしっかりすることが求められていることです。

それを忘れて、今しかないじっくり流れる時間を、例えばスマホやケータイにすべて使うなら、それはもったいない学校生活になってしまいます。

 

先ほど「もったいない」と言いましたが、真珠まりこさんという絵本作家のシリーズに『もったいないばあさん』があります。

子どもが何かもったいないことしていると、髪の毛をお団子にした斜め目線のおばあさんがどこからともなく現れて、「もったいなーい」と呼びかけるお話です。もったいないというのは、せっかくあるのにそのままにしておいたり、むだにしてしまったりするのが惜しいという意味です。

 

私は清和に入学をしてきた人たちには、もったいない高校生活を過ごしてほしくないと思っています。

それならどんな高校生活かといえば、「もったいない」の反対語は「もったいある」ですから、「もったいある」高校生活を過ごしてほしいのです。

その人が「もったいない」高校生活にするのか、「もったいある」高校生活にするのかによって人生は大きく違ったものになります。そこで、みなさんには、子どもの時間を大切にする清和で「もったいある」高校生活を過ごしてほしいのです。

清和の教育について「学校紹介パンフレット」を通してお話ししましょう

 2020年度の清和の学校紹介パンフレットを手元に置いて、以下の話を読んでください。そうすると清和の教育のよさがわかっていただけます。もし、お持ちでなければ、ご連絡ください。すぐにお送りします。

 表紙の女の子は右上のステンドグラスを見上げています。そして女の子はステンドグラスを通した光を正面から受けています。「光を受ける」は「大切にされている」ということです。清和は一人ひとりを大切にしたいと考えています。一人ひとりを大切にしない学校はありません。そこで考えたいのは、清和と他の学校が何を大切にしているのか、その違いです。

 去年の秋のオープンスクール来てくれた中学生に質問をしてみました。自分が大切にされると思うのは、どういう時ですか。返ってきた答えは、ほめられた時、認められた時でした。そこで、さらにどんな時にほめられるのか、認められるのかを聞きました。答えはテストの点数が上がった時、成績が上がった時でした。部活でいい記録を出した時、試合に勝った時というのもありました。さらに人間的に強くなった時と答えてくれた人もいました。確かに、勉強ができる、成績が上がる、スポーツでいい記録や結果を出すことは、ほめられていいことです。

 そこでもう少し考えたいのは、そういう場合、その人の何が大切にされているかです。それはその人が持っている能力や力であり結果です。でもいつもいい結果を出せるとは限りません。いい結果が出なければ、大切にされないということになってしまうのでしょうか。さらに自分に能力や力がないと思う人は最初から大切にされないことになります。強くないのはダメ、弱いのはダメということになります。そこに清和と他の学校との大きな違いがあります。

 清和が考える「大切にする」は別の言葉にすると「受け入れる」ということです。勉強ができるとかできないとか、スポーツができるとかできないといった能力や力ではありません。清和が一番大切にするのは、その人の存在なのです。そのことがよくわかるのが学校紹介パンフレットの11ページです。そこには「新入生が清和を選んだ理由」が載っています。今年の4月に入学をした1年生にアンケートを取りました。載っているのは回答の一部です。最初の質問は「清和に来る前はどのようなイメージを持っていましたか」です。答えの中に「一人ひとりの個性を大事にしてくれる」があります。「一人ひとりの心をわかってくれそう」というのもあります。個性を大事にしてくれるというのは、間違いなく存在を大切にするということです。そして「一人ひとりの心がわかってくれそう」は能力や力に関係なく、違いや個性を受け入れるということです。「勉強が難しそうで厳しそう」というのには少し笑ってしまいました。清和にそんなイメージを持っている人がいるのは新鮮でした。確かにしっかり勉強してもらいます。でもテストの成績が悪かったからといって、あなたはダメな人だとはいいません。

 3つ目の質問は「清和に入学を決めた理由は何ですか」です。入学をした人たち入学を決めた理由が載っています。「授業で個々の様子を見ながら進めてくれると思ったから」「ここならちゃんと見てくれると思ったから」などが書かれていました。この回答から感じるのは、小学生も中学生も自分をしっかり受け止めてほしいとの願いを持っていることです。清和がそのことのためにどうしてきたかが、実は回答の中に答えが出ているのです。「小人数で一人ひとりをしっかり見てくれると思ったから」「大人数が苦手だから」とあります。ここです。その人の存在をしっかり受け入れ認め、よさをわかるためには人数が多くてはできないということです。そこで清和は小人数(こにんずう)の学校にしているのです。小人数によって一人ひとりをしっかり受けとめたいと考えているのです。しっかり受けとめるためには小人数でないとできないと考えているのです。こういう場合、よく少人数といういい方がされます。少人数と小人数、似たような言葉ですが、意味には大きな違いがあります。小人数と少人数の違いについて、表紙の裏の1ページに書きました。

 それともう一つ、大人数と小人数では、時間が違います。大人数だと、何かをしようとする時に必ず使われる言葉があります。「早くしなさい、遅れないようにしなさい」。そういわれると、いつも忙しい気持ちになります。焦らされることが多くなります。人間は不思議です。焦ると本当はできることもできなくなってしまいます。気持ちが落ち込みます。数年前のことですが、他の学校から清和に転校してきた人がいます。面接の時に、自分のいいところはどこかと質問しました。答えは「地道に取り組むことです」でした。私はその人にいました。「すごい才能ですね。それだけで十分人生やっていけますね。」ところが、その人は自分でいいところと思うことが、前の学校に行けなくなった原因になったのです。地道にというのは時間をかけて取り組むということです。ところがある教科の先生にいわれたそうです。もっと要領よくやりなさい。そんなことをしていたら、時間が足りない、遅いダメだ。先生は励ますつもりだったのだと思います。でも、その人は遅いのがダメを、自分をダメな人間だ、ダメな存在だと受けとめてしまったのです。

 清和の小人数の学校です。清和の時間が毎日どのように流れているかについて在校生が必ずいうことがあります。そしてオープンスクールなどに来られた人が必ず感じることがあります。「時間がゆっくり流れている」。時間の流れに遅いも早いもありません。にもかかわらず、ゆっくり流れている、と感じるのはなぜでしょうか。それがよくわかるのが、7ページと8ページの「清和の時間」のページです。ここには中学1年生と高校3年生の一日が書かれています。8時40分のチャペル礼拝のところを見てください。「清和の一日は毎朝のチャペル礼拝から始まります。賛美歌を歌い、聖書を読み、お話を聴きます。他者、社会、自分自身と出会うことのできる時間です。礼拝を終えると、新しい気持ちで教室に向かいます」。この時間、他の学校は何をしているでしょうか。1時間目が始まっている学校があります。小テストをしている学校があります。朝学習の学校があります。それはそれでいいのですが、清和は礼拝をしているのです。何かムダなことをしているのんびりしていると思うかもしれません。みなさんも体験があると思いますが、朝家を出る時いつも気分いいとは限りません。今日は学校に行きたくないという日もあるはずです。家族とケンカして、腹を立てながら学校に来たということないでしょうか。そのように気持ちがむしゃくしゃしたままで、学校生活にしっかり取り組もうという気持ちにはなかなかなれません。私はチャペル礼拝の時間について、次のようにいうことがあります。「イライラの気持ちや腹が立ってしょうがないこと、それは全部チャペルに置いていったらいい。チャペル賛美歌を歌ってお祈りして、全部吐き出して、授業を受けよう。」こうして始まった1時間目、高校3年生のBさんの授業は「理科演習」です。「科学と物理を選択しました。大学受験に必要な科目です。化学はいいけれど、物理は少し苦手な私にとって、小人数クラスなので質問もしやすいです。」高校3年生のBさんは小人数クラスであることを上手に活用して学んでいます。11時から3時間目、高校3年生は「聖書の授業」です。みなさんが清和に入学したら必ず受けてもらいます。聖書は人が美しくなるために書かれたものです。高校1年生の聖書は私が担当します。清和は3時間目が終わる11時50分から昼休みになります。昼ごはんのスタートが他の学校よりかなり早いはずです。お腹が減ったまま授業を受けても、なかなか集中できません。そこで昼ごはんの時間を早くしたのです。そこはゆっくりではなく早いのです。5時間目、中学1年生は国語です。Aさんは次のように書いています。「発表は苦手ですが、先生は『正解することより自分の言葉で伝えようとする気持ちが大事』といってくれるので、以前のように発表が嫌いではなくなりました。」この国語に代表されるように、清和の各教科の特徴を3ページ4ページにかきました。後でぜひ読んでください。清和が授業で一番大切にしているのは、その人が持っている学ぶ力を引き出すことです。15時30分から、帰りのショートホームルームがあります。Bさんは次のように書いています。「一日の学びを終えることができたことに感謝し、クラスで一緒にお祈りをします。お祈りは自分のことだけでなく、友だちや社会のことを思っておこないます。」清和の一日をたどっていくと、確かに急がなくてもいいといいことがわかります。逆にそれは自分で考える時間があるということです。自分で考えることによって、深い学びができるようになるのです。それを3年間じっくり続けた人たちが、どうなっていくのかが、9ページ10ページに書かれています。進路と進学のページです。清和の進路指導の特徴は小人数なので、もちろん個別指導です。自分が大学などで何が学びたいか、どのような職業につきたいかを、クラス担任や進路指導の先生と一緒にじっくり考えます。その結果が10ページの上の進路先です。清和の授業を受けることによって、上の学校でもっと学びたくなる人がどんどん増えていきます。それは清和の時間の中で、学ぶ楽しさを知ったからだと思います。

 最後にお金のことをお話しします。新型コロナウイルス問題の影響で、経済的に大変になる家庭が増えています。そうなると、私学はお金がかかるからダメと考える人がいます。でも今はそうではありません。13ページ14ページにそのことを書きました。もし、家の経済状況が悪くなっても、そういうお宅は授業料が無償になります。清和は授業料には施設設備費も含まれているので公立以上にお金がかかりません。もし、お金のことが心配でしたら、ぜひ相談してください。清和に一度ぜひお出でください。清和の雰囲・気空気を自分の肌で感じてください。

 

こんな勉強何の役に立ちますか

昔から親と子の間で、先生と生徒の間で繰り返されてきたやりとりがあります。

それは「こんな勉強、何の役に立つのか」ということについてです。

私もある生徒からいわれました。

「テストに出るのは、覚えてもしかたがないことばかりです。サ行変格活用、先生覚えていますか。フレミングの法則、これ生活で使うことありません。こんなこと覚えても何の役に立ちませんよ」。

私に質問をした生徒はテストをすることの意味を知りたかったのではありません。

私が「今はわからなくても、将来役に立つからやりなさい。一生懸命努力することが将来につながる」と答えること考えての質問だったのです。

私がどう答えたかはあとで触れます。

そもそも親や先生がすぐに役にも立ちそうにない勉強をすることが、その子どもの将来の役に立つと本当に信じているでしょうか。

そんなわけですから、当事者である子どもが真剣になれないとしても当然です。

親と子どもは立場が違うのですが、勉強やテストに対して持っている考えはあまり変わりません。

それは「役に立たなければ意味がない」「役に立つからする」という考え方です。

アメリカのトランプ大統領が就任後からいい続けていることがあります。

それはアメリカ国内のアメリカ人の雇用、つまり仕事ができるようするためには何でもするということです。

そのためにじゃまになる移民や不均衡な貿易国には厳しい態度で臨んで排除する…。

でも専門家の多くはトランプ大統領のやり方がうまくいかないことがわかっています。というのは、そんなことに関係なくこれから先多くの人の仕事がなくなるからです。

 

しばらく前にイギリスの大学の研究機関がある研究結果を公表しました。

8年後には今ある職業の47%がなくなるとのことです。

8年後というと、現在の中学生と高校生が20歳代半ばから後半になった頃、つまりすぐ先の話です。

なくなる理由はAI人工知能が人間に代わって多くの場所で働くようになるからです。

なくなるのは単純労働よりは、頭を使う仕事、高度な技術や知識が必要な仕事です。

男の子のあこがれの職業№1の電車や消防自動車の運転士、これはAIによる完全自動化が目ざされています。

3年後には人が運転しなくても走れる車で出てきます。

AI人工知能は人間がするようなミスはまずしません。

交通事故はほとんど起こらなくなります。

頭を使う仕事の代表の弁護士や裁判官になるためには、日本で一番難しい試験の一つの司法試験にパスをしなければなりません。

正しい判断をするためには、たくさんの知識を知っておかなければならないからです。でも人間が必死になって勉強して覚える知識はAIが最も得意とすることです。

勉強を教えるだけの先生は人工知能アプリにとって代られます。

それではAI人工知能がしない仕事は何でしょうか。

それは優しさや親切など、コミュニケーション能力が必要なサービス業や営業などの仕事です。

工場などの現場で働く仕事、介護やウェイトレスなどはある程度残るとのことです。

理由は賃金が高くないからです。

AI人工知能の開発には莫大なお金がかかるので、安い賃金で人手を使ったほうが安上がりだからです。

問題はそういう時代の中で、私たちはどのように生きるのかということです。

私はこんな勉強して何の役に立ちますか、といわれた時、次のように答えました。

「その通りや。何の役にもたたへんと思う。ムダやで。必死で覚えても、たいていのことは役にたたへん。将来役に立つというのは、ほとんど言い訳やなあ。今役に立たんもんがこれから先、役に立つはずないで…」。

ここで考えたいのは、役に立つ立たないを最優先にしたら結局何が一番ムダかです。

それは人間です。

 

私ですが、今年67歳で、高齢者と呼ばれる年代になりました。

10年前、5年前より確実に体力がなくなり、物事をよく忘れます。

人間は歳をとると誰でも体力も頭の中も衰え、病気もします。

周りの迷惑をかけています。

役に立つかそうでないかで考えるとほとんどの人は間違いなく役に立たなくなります。

ただ人間の能力を超えていても、AI人工知能ができないことがあります。

それはムダです。

AI人工知能は本質的にムダができないのです。

ムダをすれば存在の意味がなくなるのです。

ムダにおいてAI人工知能は人間に勝てないのです。

役立たない勉強の蓄積を一般的に何と呼んでいるでしょうか。

 

それは「教養」です。

清和での学びは教養を持った人になることを中心に考えています。

こんな勉強して何の役に立つの、という勉強をすることによって、その人は間違いなく教養が身につきます。

教養が本質的に持っているのは「生きる力」です。

ムダがお互いの人間関係をよくします。

ムダを省くと関係がギクシャクします。

ムダは地域と地域の関係、国と国関係をよくするために、すべての関係を平和にするために何より必要なのです。

そこで気づかされます。

その勉強が今の自分にムダと思えたなら、それは今取り組むべきことです。

そうしたことを大切に清和の学びは続けられています。

 

進学を考える小学生・中学生と保護者の皆様へ

清和学園は、女子校だから、小規模校だから、少人数教育だから、
その人にふさわしい進路を拓くことができるのです。

 清和学園は一人ひとりに「幸せな高校生活」を過ごしてほしいと願っています。そこで清和学園が考える「幸せな高校生活」を書かせていただきます。

 「ドリフターズリスト」というのがあります。ドリフターズというと、お父さんお母さんの世代はカトちゃんや志村けんを思い浮かべますが、そのドリフターズではありません。また急ブレーキをかけて車を横滑りさせるドリフトのことでもありません。

 ドリフトは漂流という意味の英語です。つまりドリフターズは漂流者のことです。

 船が難破して無人島にたどり着いた人が、絶望的にならず希望を持って生き抜くためにはどうしたらいいのでしょうか。それは楽しいことをあれこれ考えることです。その日できることを考えて、それを一つ一つ実行していく、それが一番生きる力になります。清和学園には「清和学園のいいとこリスト」というドリフターズリストがあります。

 

 第一に大切にしたいと考えるのが授業です。清和学園は多くの人が4年制大学を中心に進学していきます。一般的な進学の方法は模擬試験を何度も行い少しでも偏差値を上げることを中心に考えます。それでは毎日の勉強が楽しいはずがありません。授業そのものに興味がわかないでしょう。清和学園は毎日の授業にしっかり取り組むことを通して物事を深く考える人になってもらいたいと考えています。

 清和学園の授業は先生が楽しんで行います。それによって授業を受ける人たちが楽しくなります。楽しくなければ学びたいとの意欲は生まれません。自分で考えようともしなくなります。

 清和学園が学校生活の中で大切にしていることで、他の高校と大きく違うのが全校礼拝です。学校の真ん中の三角屋根の建物、チャペルと呼んでいますが、その場所で毎朝礼拝を行います。生徒と先生職員全員が集まります。礼拝といわれてもピンとこない人が多いと思います。礼拝では讃美歌を歌い、聖書を読み、お話を聴いて、お祈りをします。それを一緒に行うことで、その日をどう過ごすのかというドリフターズリストを一人ひとりが考えるのです。だから清和学園の学校生活は楽しいといわれるのです。

 他にも清和学園のいいとこリストはありますが、ここではもう一つ別のリストをみなさんに紹介したいと思います。それは「清和学園に来てほしい人リスト」です。こういう人に清和学園に来てもらいたい、そうすると充実した3年間を過せますと考えていることです。自分がどれかに当てはまるとしたら、ぜひ清和学園に入学してください。たとえばこういう人です…。

 自分に自信が持てないでいる人
 自分のことがあまり好きではない人
 がんばれない自分をダメな人間だと思っている人

 人間、生まれた時から自分が嫌い、ダメな存在などと思うはずがありません。たぶんそれは勉強ができることに、成績がいいことに、運動ができることに、がんばれることに、人間としての価値があるといわれてきたからです。それも一つの価値観ですが、とても狭いものです。

 清和学園はその人の能力ではなく存在そのものを大切にする学校です。たとえがんばれなくても、がんばらなくても、その人を認めるということです。それから、受験勉強ばかりだけの高校生活はもったいない、他にもできることやりたいことがたくさんあると考えている人。そういう人は説明する必要がないくらい清和学園がぴったりです。自分を変えたい、変わりたいと願っている人、やり直したいと思っている人。清和学園にはそのチャンスと出会いがたくさん用意されています。

 逆の場合もあります。自分の良さや大切にしているものを失いたくない、奪わないで欲しいと思っている人。みなさんが自分の良さを知っているかといえば、気づいていないことも多いのです。むしろそれを知っているのは家族かも知れません。わが子の良さを大切にしてくれる高校に入ってほしい。清和学園はそうした願いを大切にしたいと考えています。

 こういう人はいませんか。やりたいことが見つからない人、それを見つけたいと考えている人。それをじっくり考える時間があるのが清和学園です。その他にもまだまだあります。

 大好きな音楽を楽しみたい人。
 部活動でエネルギーを燃やしたい人。
 人間関係を作りたい、心の許せる友だちを作りたいと願っている人。
 笑顔で高校生活を過したいと考えている人。
 そして高校生活そのものに不安を抱えている人、
 高校生活をやっていく自信がない人。

 清和学園は先生をはじめとして相談できる相手がすぐに見つかる学校です。もう一つ大切考えていることがあります。あなたにぜひ自分だけのドリフターズリストを作ってほしいことです。自分でやりたいことリスト、ドリフターズリストを作ることによって、間違いなく幸せな高校生活を過すことができます。清和学園は自分だけのドリフターズリストを作ることを手助けします。

 清和学園での学校生活に関心を持った人はぜひオープンスクールや個人的な学校見学に来てください。お待ちしています。

 

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