礼拝の話

2024/04/26 

4月23日(火) 聖書 マタイによる福音書 5章38~39節 社会科 山脇

最近ニュースや新聞などを見ていて、自分が間違った使い方をしていることわざや慣用句が多いということに気づきました。

歴史の授業で「今日は〇〇時代のさわりの部分だけ紹介します」という言い方をする時があります。

「さわりの部分」と聞くと、「話の前半部分」または「導入部分」と捉えてしまいがちですが、改めて辞書で調べると、「話や物語の要点」「最も興味を引く部分」とありました。

今日の聖書箇所に出てきた「目には目を、歯には歯を」もその一つといえるかもしれません。

古代文明の所で必ず出てくるのが、ハンムラビ法典です。

古代メソポタミア文明を築いたバビロン第一王朝の6代目の王、ハンムラビが国を治めるために定めた282条からなる法律をハンムラビ法典と言います。

その196条と200条に「目には目」「歯には歯」という記述が見られます。

このハンムラビ法典は復讐することを認めた法律と解釈され、以前は復讐法という記載も教科書には見られましたが、ハンムラビ王はメソポタミアの様々な民族を束ねるためにこの法典を定めました。

文化や風習の違う人々が安心して暮らせるよう、この法典を定めたと想像できます。

ですからハンムラビ王はこの法典を定めるにあたって、争うことや相手を傷つけることがないように、という思いを前提に、この法典を定めたのです。

旧約聖書に出てくる「目には目を」「歯には歯を」も同じです。

もし相手を傷つけてしまうようなことがあれば、適正な裁判を受けなければならない、それがモーセの授かった神の教えでした。

この「目には目を」「歯には歯を」という教えは、時代が進むにつれて、誤った解釈、間違った意味でとらえられるようになりました。

「やられたらやり返しても良い」、つまり復讐することを認める法律、教えというように解釈されるようになったのです。

イエスは、そうではないということを今日の箇所で民衆に教えています。

今日の聖書箇所には「復讐してはならない」と見出しがついています。

イエスは民衆に神の教えを分かりやすく伝えました。

「あなたがたも聞いている通り、『目には目を、歯には歯を』と命じられている」とイエスは言います。

昔から伝えられてきたこの教えについて、イエスは「しかし、わたしは言っておく」と述べたうえで、復讐してはならないことを民衆に教えます。

イエスは「目には目を」「歯には歯を」の本来の意味を、ここで改めて民衆に教えられました。

誤った解釈によって広まったこの教えを、本来の教えに戻そうとしたのです。

私たちは日頃の生活のなかで言葉を用いて考え、文字を書き、言葉で相手に思いを伝えます。

イエスは、その言葉の本来の意味をしっかり考えることと、何より怒りに任せずに、周りの人とともに生きることを教えられました。

今日も、私たちは様々な関わりの中で一日を過ごしていきます。

その中で、周りの人の言葉と思いをしっかり受けとめることができるよう祈りたいと思います。

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