礼拝の話

2024/05/01 

4月25日(木) 聖書 使徒言行録 20章35節 日本キリスト改革派 山田教会 高内信嗣牧師

岡山県倉敷市の美観地区は、とても心地よい雰囲気の街並みです。

その倉敷市の江戸時代の風情を残す街を川沿いに歩くと、ギリシャ神殿のような立派な建物、大原美術館が見えてきます。

大原美術館は西洋美術を公開展示する日本で最初の私設美術館として1930年に設立されました。

この設立には、大原孫三郎、石井十次、児島虎次郎という3人の出会いがありました。

大原孫三郎は若い頃に多くの失敗を重ねましたが、日本の福祉事業の先駆者であった石井十次との出会いにより、キリスト教に出会い、「事業で得た利益は、広く社会に還元しなければならない」という思いを持っていました。

その活動の中から児島虎次郎とも出会い、支援することになり、虎次郎は多くのすぐれた美術品を収集する手助けをすることになりました。

大原美術館は、石井十次、大原孫三郎、児島虎次郎の出会いによって生まれた美術館なのです。

そして、その設立の経緯には、イエスの姿があったことを覚えたいと思います。

孫三郎は、もともと金持ちのボンボンでした。

とんでもない息子であり、一億円もの借金を作ったどうしようもない人物です。

一つ間違えれば、悪に染まっていたかもしれません。

「奪う」方へ人生が傾いていたかもしれない。

しかし、十次との出会いによって大転換が起こったのです。

そして、孫三郎を変えた十次も、イエスによって変えられていた人物だったのです。

今日の聖書の御言葉にはこうあります。

「あなたがたもこのように労苦して弱い者を助けるように、また、主イエスご自身が『受けるよりは与えるほうが幸いである』と言われた言葉を思い出すようにと、私はいつも身をもって示してきました。」

これはキリスト教の伝道者パウロの言葉ですが、彼自身、「受けるよりは与える方が幸い」というイエスの言葉に生かされて、働きを続けました。

「受けるよりは与えるほうが幸いである」、この聖書の価値観を持つ者たちが重なり合う、その時に、こんなに素晴らしい物語が始まるということを、大原美術館は証明していると思います。

わたしたちもこのチャペルにて、「受けるよりは与える方が幸い」というイエスの言葉を聞いています。

その時、私たちが「奪い合う」のではなく、「分かち合う」喜びへと目覚めていくことになると思います。

そうであるならば、私たちの仕方での愛の物語が必ず始まっていくはずです。

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