礼拝の話

2024/05/09 

4月30日(火) 聖書 ローマの信徒への手紙 1章13~15節 校長 小西二巳夫

NHKの番組に「探検ファクトリー」というものがあります。

これは大きな工場や小さな工房を訪れて、そこで行われているモノづくりのおもしろさや技術の高さを紹介するバラエティー番組です。

3月の探検先は創業70年の鉛筆メーカーの工場でした。

番組を見ていて思わされたのは、一本の鉛筆が作られる工程には人間の知恵や工夫がたくさん詰まっているということでした。

番組の後半で、中川家の弟の礼二さんが、手に持った一本の鉛筆を目の高さにあげながら、ふっと言いました。

「これで何を書こうかな」。

この何気ない一言に私は思わずはまりました。

頭の中は考えがぐるぐる回り始め、思い浮かんだ場所は広島、思い出したのがタイトルもズバリ「一本の鉛筆」という歌です。

1945年8月6日に広島には原子爆弾がアメリカ軍によって投下され、一個の爆弾によって無差別に命が奪われたのです。

広島で平和を祈念するための「広島平和音楽祭」が1974年から始まりました。

その第1回で歌われたのがタイトルもズバリ「一本の鉛筆」という曲でした。

「一本の鉛筆」の作詞をした映画監督の松山善三、映画音楽の専門家で作曲をした佐藤勝、そして歌った美空ひばりは、それぞれ戦争の悲惨さを体験し、8月6日の原子爆弾投下を何かの形で体験した人たちです。

戦争がいかに愚かで、人間として行ってはいけない行為なのかをよく知っている人たちです。

その人たちによって作られた「一本の鉛筆」が「あなたに」と呼びかける「あなた」はここにいる私たち一人ひとりです。

でも現実には8月6日の広島で起こった出来事と何も変わらないことが、今も世界のあちこちで起こっています。

そこでしっかり気づきたいのがパレスチナの大人の人たちや子どもたちが、

「あなたに 聞いてもらいたい/あなたに 読んでもらいたい/あなたに 歌ってもらいたい/あなたに 信じてもらいたい」とSNSなど現代の鉛筆ともいえる道具を使って、戦争はいやだ、私の大切な人を返して、8月6日の朝、つまり無差別攻撃はもうたくさん、人間のいのち を今こそ守ってほしい、と訴えていることです。

その訴えに、あなたと呼びかけられているキリスト教学校・清和に学び、清和に働く私たちが、さまざまな方法や機会を作って応えることができるはずです。

たとえば学園祭も絶好の機会となる、そう考えたら、私たちがパレスチナの子どもたちの呼びかけと訴えに応える方法はいくつもあるということです。

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