清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2020/09/18
9月に入りスポーツ界で2つの大きなニュースがありました。
高知県出身、阪神タイガースの藤川球児選手の現役引退とテニスの大阪なおみ選手の全米オープンの2回目の優勝です。
藤川選手は引退会見で記者から「22年間の野球人生はどうでしたか」と尋ねられ、「前向きでいられたことがよかった」「振り返らず前を向くということができた」「まったく悔いはないです」と一言一言かみしめるように答えていました。
中高時代は練習が嫌いで、嫌なことからすぐに逃げ出そうとするタイプだったそうです。
何がきっかけで逃げることから前向きになれたのか、本人曰く「いろんな人から叱咤激励され、それを覆すのが楽しかった」からだそうです。
毎日野球と向き合い、練習を続けていく中でさまざまなことを乗り越え、今に至ったのだと思います。
大阪なおみ選手は今大会で、白人警官に命を奪われた7人の名前が書かれたマスクをつけて入場しました。
優勝後のインタビューで「マスクに7人の名前を書くことで何を伝えたかったか」と記者に尋ねられ、彼女はこう答えました。
「逆に質問しますが、あなたはどんなメッセージを受け取りましたか。会場の外で起こっていることはよくないことですが、このことを話題に、多くの人が語り合うようになればいいと思います」。
試合を1回でも多く勝ち進めば1人でも多くの犠牲になった人々の名前を掲げ、社会に訴えることができると考えたのだと感じました。
自分のために勝つのではなく、苦しむ誰かのために勝ちたいと思って試合に臨んだからこそ、強い心で勝ち進むことができたのだと思います。
体育大会が明後日に迫ってきました。
清和の体育大会は、勝ち負けを競うだけではなく、それぞれの係の仕事、準備、片付けでどう協力できたかが一人ひとりに問われるものです。
それぞれに与えられている才能、能力は一人ひとり違います。
その違いを認め合い、今自分ができることは何かを考え、一人ひとりが精一杯協力すること、それが学校行事で求められていることです。
今回の体育大会が一人ひとりにとって、クラスにとって、そして学校全体にとって、より意味のあるものになることを期待しています。