清和女子中高等学校。創立113年の高知県の私立女子校。キリスト教主義の中高一貫校です。
2020/09/08
今NHKでデジタルリマスター版「未来少年コナン」が放送されています。
「西暦2008年7月、人類は絶滅の危機に直面していた。核兵器を遥かに超える超磁力兵器が、世界の半分を一瞬にして消滅させてしまったのだ。地球は大地殻変動に襲われ、地軸はねじ曲がり、5つの大陸はことごとく引き裂かれて、海に沈んでしまった…。」というナレーションで始まります。
私たちの現実世界でいうと、もう12年も前の話、この作品が作られた1978年当時で考えると、2008年は30年後の未来の話ということになります。
1945年に第二次世界大戦は終結しましたが、その後も世界各地で戦争・紛争は起こり続け、大国と言われる国々はより強い兵器を求めて開発を続け、強い兵器への恐怖によって他を制圧しようとしていきました。
そんな中で作られたものが、このアニメでした。
きっと宮崎駿さんは2008年には、どんなものかはわからないにしても、核兵器を遥かにしのぐ強力な兵器ができて、このままでは地球は本当に壊れてしまう、人間は生きることができない地球になると考えていたのではないでしょうか。
今の地球、今の世界、今の日本、今の私たちはどう生きているのでしょうか。
75年前の8月、広島と長崎に原子爆弾が投下され多くの命が失われました。
戦後75年、実際の戦争を知っている人々はそれぞれの人生の終わりを迎えようとしています。
戦うことをしないという憲法9条によって私たちは戦争を体験することなく今を生きています。
戦争は遠い昔のことで今生きる私たちに関係ないことなのでしょうか。
被爆者として世界に、国連を通して核兵器廃絶を強く訴えた方がいます。
「わたくしの顔や手をよく見てください。よく見てください。核兵器による死と苦しみを、たとえ1人たりとも許してはならないのであります。核兵器による死と苦しみは、わたくしたちを最後にするよう国連が厳粛に誓約していただくよう心からお願いいたします」、と。
今からもう38年も前のこと、1982年にこの演説はされました。
そして、この山口さんはこう締めくくりました。
「No more Hiroshima. No more Nagasaki. No more war. No more Hibakusha.」
広島はもういやです。長崎はもういやです。戦争はもういやです。被爆者はもういやです。
長崎の原爆では7万をこえる人が亡くなりました。
高知県の人口の1割が一瞬にして命を落としたことになります。
デンマークでは戦争で失ったものを教育で取り戻す、と教育に力を入れているといいます。
学ぶということは、いろいろな事実や現実を知り、想像力を働かせることです。
自分の目の前にあるものだけで世界はできているのではないことを知ることです。
いろいろな思い、いろいろな考えに触れ、自分とは違う意見にも向き合うことが必要です。
よりより世界を築くためにどう生きることができるかと考えるためにわたしたちは日々生活しています。
この2学期、いろいろなことがあるでしょう。
思い通りにいくことも、まったく思い通りにいかないこともあるでしょう。
でもその1つ1つで最善だと思えることを積み重ねることで、これからのわたしたちの未来はあります。
わたしたちには与えられている命を生きなければいけない責任があるのだと思います。
今日1日をしっかりとあゆみましょう。