礼拝の話

2023/11/08 

10月26日(木) 聖書 コリントの信徒への手紙Ⅰ 10章13節 保健体育科 森田

「紅葉の秋」は、写真を撮ることが趣味の私にとって、シャッターチャンスが沢山ある「写真の秋」です。

高知の紅葉は11月が見頃ですが10月中旬からは標高の高い山で美しい景色を見ることができるので、今月に入って毎週末、四国の山へ登山に行っています。

10月に入ってすぐの週末には、愛媛県にある石鎚山に登りに行きました。しかし登山開始から天気がとても悪く、残念ながら途中でリタイアをしてしまいました。

くやしさが残り翌週に同じ山に挑戦しましたが、前の週と天候条件はあまり変わらず、自分の足元を見つめるだけの登山になってしまいましたが、その日のその天気の中でしか撮ることのできない、たった一枚の満足のいく写真を、登り切った山頂で撮ることができました。

そして先日の22日は、徳島県にある剣山という山へ行きました。幸いにも開始から終わりまで、雲一つない青空の中、自分の歩いてきた道も、これから行く先も、すべて見渡すことができました。剣山を下山しながら、私はこの3回の登山を思い返していました。

その時ふと、学校生活は山からまた別の山に向かって歩く縦走と同じだなと、気づきました。天気が悪いと山に登るのをやめたり、心がくじけて途中であきらめたりする。登りが続くと辛くて、風や霧が吹くと寒くて、立ち止まったり足元だけを見て歩く時がある。でも、目指した山頂にたどり着くと、何にも代えがたい達成感を得る。

そして一人で登るより、誰かと登るほうが頑張れる。学校生活の中でも、天気や自分の体や心の調子によって、学校に行きたくない日もある。友だちや家族とケンカしたり、落ち込むことがあった時、下を向いて歩く日もある。

でも、自分の目標を達成すると嬉しい気持ちになったり、行事などで友達と楽しさや喜びを分かち合えるとそれらは大きくなる。

今日の聖書の言葉には、神さまは耐えられない試練は与えず、乗り越えられるように逃れる道を備えいてくださるとあります。

私が美しい景色に出会えたのは、一度目の挑戦で引き返すことを選んだからです。それは山を登ろうとしていた途中に「逃げ道」が用意されていたからだと思います。前に進んでいたからこそそこに逃げ道があり、勇気をもって引き返すことができたのです。

学校生活を縦走とするなら、歩く中で思うように進めない時間があります。誰かと何かあった時、自分の中で悩む時、その場から動けなくなることもあると思います。でも、みなさんが前に進もうとするからこそ、きっとそこには必要な逃げ道が、必ず用意されているはずです。

逃げることは悪いことではありません。ただし、必要であっても、選ぶには勇気が必要です。

途中で立ち止まったり、下を向いて歩いたりしながら、友人と、仲間とともに支え合いながら、時には用意された逃げ道を選ぶ勇気を持って、今日も次の頂上を目指して歩きましょう。

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