礼拝の話

2020/10/30 

10月30日(金)聖書 コヘレトの言葉 7章3節 英語科 菅田

私は大学生3回生の春学期にイギリス文学史Bという授業の単位を落としました。

教員免許を取るには必要な選択授業だったため、とりあえず自分の時間割に合うからと考え、とってみた授業がイギリス文学史Bでした。

イギリス文学史Bの授業を始めて受けた時「終わった…」と思いました。

それはイギリス文学史Bがイギリス文学史Aを取っておかないとついていけないとわかったからです。

でも「なんとかなるかな」と思い授業を受けましたが、結果はやはり何ともなりませんでした。

「なんであの時、履修変更しなかったのか」「なんで起きて授業を受けなかったのか」と自分の失敗に悩む日々が過ぎました。

失敗した自分が惨めに思え、ダメな人間なんだと考えた中、ふと寄った書店で「自分を責めずにいられない人」という本が目に入り、気づいたら手に取っていました。

「自分を責めずにいられない人」という本の著者は片田珠美さんという精神科医です。

片田さんの本によると落ち込みやすい原因はだいたい3つあります。

1つ目は人と比較してばかりだと自分は劣ってしまうと考えてしまうこと、2つ目は、「絶対にこんな自分でないといけない」と自分を自分で追い込むこと、それからもう一つ「期待の重圧」というのがありました。

それに対しての対処方法も書いてあり、一番印象に残っているものは、失敗した原因を探し、改善すべき点を考え行動するというものでした。

失敗した事実を見て見ぬふりにせず、しっかりと失敗した自分をきちんと認めること、そして、失敗した内容を友だちや家族などに聞いてもらいながら「なんで失敗したのだろうか」を考え、その次に「どのようにしたらこの失敗がおきなかったか」と考えることです。

あとは行動するのみ。

そうすることで自己嫌悪に陥らないで済むと書いてありました。

そこで、単位を落とした失敗について友だちに聞いてもらい、何が悪かったのか整理しました。

そこであらためてわかったことがあります。

それは当たり前のこと、「授業の予習」をキチンとするということです。

とても単純な答えで、「なんだそんなことか」と思うことでした。

この答えにたどり着くのにかかった時間は1時間ちょっとでした。

2週間悩んでいたものがわずか1時間ちょっとで解決したので、うれしいような情けないような気持ちになりました。

けれど、さらに分かったこと、それはしっかり悩んだから答えが見つかったということです。

私は今でも悩むことが多くあります。

英語の授業でどんなふうに説明したら、英語に関心を持ってくれるだろうか。

クラスのみんなが楽しく、安心して日々を過ごすにはどうすればいいのか。

バドミントンの経験がない私が、部活のみんなに何を与えることができるのか。

私の悩みは尽きることがありませんが、そんな私に今日の聖書が励ましてくれます。

「悩みは笑いにまさる。顔が曇るにつれて心が安らぐ」

笑うということは楽しいことでいいことです。

悩みは悪いイメージを持つことが多く、顔が曇るということは悩んでいる時を表します。

でも、悩んで考えることはしっかりと自分と向き合えている証拠です。

自分と向き合い続けているときに「ハッ」と大切なことに気づかされることがあります。

その「ハッ」となったあと、すっきりした気分になり心は安らいでいきます。

そして気づいたことはじわじわと自分の心に残り続けます。

笑いは一瞬の出来事が多いですが、悩みの先にはこれからの自分に残るものがあります。

そう考えると、悩みがなくならない今日一日が悪い一日ではないと思えます。

希望が持てる一日だということがわかります。

この聖書箇所を胸に今日一日を過ごしていければと思います。

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