礼拝の話

2023/11/08 

10月31日(火) 聖書 ローマの信徒への手紙 3章23~24節 社会科 山脇

今日10月31日は1517年に宗教改革が始まったことから、プロテスタント教会では宗教改革記念日に定められています。

教科書の宗教改革に関する記述には教会の贖宥状・免罪符の販売という事柄が必ず出てきます。

この札を買えば罪が赦されるという贖宥状・免罪符を教会が販売していたことに対し、ルターは『九十五カ条の論題』を発表して教会を批判し、宗教改革が始まりました。

当時、ローマ教皇はヴァチカンのサン=ピエトロ大聖堂の新築と、システィーナ礼拝堂の改修工事を命じ、ミケランジェロなど名だたるルネサンスの芸術家に大聖堂の建築と内装の壁画を依頼しました。

新築・改修には莫大な費用がかかったのですが、その費用を得る目的で販売されたのが贖宥状・免罪符でした。

教会の言うことは正しい、間違ったことをするはずがない、そのように思っていた人々は、疑うことなくこの贖宥状・免罪符を購入したことでしょう。

しかし、この贖宥状・免罪符の販売が結果的に宗教改革の引き金になりました。

ルネサンスという新しい文化運動が盛んだった時期には、アジアからイスラム世界を通じて伝わった、火薬、羅針盤、活版印刷がヨーロッパに広まった、そのような時期でもありました。

そのような新しい考え方や技術が広まるにつれて、それまでの教会を中心とした倫理観や考え方への疑問も生まれてきました。

ルターは今まで教会が人々に伝えてきたことや、修道士として、また大学教授として伝えてきたことが本当に神の御心にかなっているのかを真剣に振り返り、改めて聖書の言葉、神の言葉に立ち返ろうとしました。

そのような悩みのなかにいたルターは、今日の聖書箇所に救われたといいます。人を義、正しいとされるのは神の恵みであるという聖書の言葉です。ルターは聖書の言葉に立ち返り、自分自身の在り方を見つめました。

そして神の恵みによってのみ救われるという確信を得たルターは、贖宥状・免罪符を販売する教会に対して、その疑問を質問状として発表したのです。

このルターの質問状はグーテンベルクの改良した活版印刷機によってドイツ国内に広まり、やがて宗教改革という大きな波となりました。

宗教改革記念日は、ルターが自分自身の在り方を見つめ、聖書の言葉に立ち返ることを世に伝えた日です。

私たちも、自分自身の歩みを見つめつつ、その日々の歩みのなかに神の恵みがいつも注がれていることを感謝したいと思います。

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