礼拝の話

2019/11/12 

11月12日(火)聖書:マタイによる福音書 22章37~39節 英語科 中山

イラン出身のタレント、サヘル・ローズさんをご存じでしょうか。

子供のころ、イラク軍の空爆によって町が破壊され、家族を亡くしたそうです。

家族を亡くした彼女をフローラという女性に助けられました。

サヘルさんはフローラさんに引き取られましたが、フローラさんは彼女を引き取ったために、宗教上の理由から実家から勘当されてしまい、2人は生活に困り、知人を頼って日本にきたそうです。

サヘルさんが8歳のときでした。

小学校2年生から日本の小学校に通い始めましたが、日本語は話せず、文化や習慣の違いに戸惑ったそうです。

友達を作りたいと、クラスの子たちがしているように、自分も誕生日会にクラスの子を招待しましたが、貧しい生活をしていたサヘルさんたちに用意できたのは、スーパーで半額になったバナナロールケーキを買うことでした。

これがその時にできる最大限のことでした。

しかし、周りの人の態度が変わっていったといいます。

中学校へ行くと元々外国人で目立つうえに、くせ毛もあったのでますます目立ったうえに、当時イラン人による事件が多く報道され、皆から「サヘル菌」といわれ、ばい菌扱いされることもありました。

後ろから蹴られて階段から落ちたり、上履きを捨てられたりすることもありました。

いじめはどんどんエスカレートしていき、心は擦り切れていったといいます。

つらく悲しい体験をしたサヘルさんですが、自分のために一生懸命働いてくれるフローラさんに何とか楽をさせてあげたいと思い、そのためにも高校へ行くことが必要だと思い、進学しました。

今週から清和での人権週間が始まります。

人権問題というと人種差別、職業差別、女性差別、部落差別、障がい者差別、などを思い浮かべますが、今の自分の生活に直接関係がないように感じる人もいるでしょう。

人権とは『誰にでも認められる権利であり、人としてふさわしい生活、人として大切にされながら働き、教育を受ける権利』です。

別の言い方をすると、『人は一人ひとりがかけがえのない、尊いものであるから幸せになる権利がある』ということ、『人は幸せになる権利があるのだから、どんな場合でも人を踏みにじったり、無視したりしてはならない』という考え方です。

サヘルさんとフローラさんが大変な思いをしている時、彼女たちの窮状を知らないふりをするのではなく、「大丈夫?何か困っていたらいってね」と手を差し伸べてくれた人がいました。

サヘルさんと同じ体験でなくても、自分の周りにいる人の中にも、つらい思いをしている人がいるかもしれません。

人権問題というのは、遠くことではなく、自分の周りに助けを必要としている人やつらい思い、悲しい思いをしている人に気づき、その人を支えることではないかと思います。

それが、すべての人権問題を解決する糸口になると思います。

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