礼拝の話

2023/11/24 

11月13日(月) 聖書 コリントの信徒への手紙Ⅰ 9章1~6節 校長 小西二巳夫

わたしが北海道にいた頃に知り合った深瀬忠一という先生がいます。

深瀬先生にはキリスト教の考え方を教えていただくことがよくありました。

深瀬先生は平和への思いが強く、気持ちのあつい人でした。

その先生が高知出身だとは知らずに来ましたが、元清和の理事長の友だちだったと知ったときには、そこに不思議な縁、神さまの導きを感じました。

深瀬先生がもし今生きておられたら、ロシアのウクライナへの攻撃で、そして中東アジアのガザでイスラエルとハマスの戦争によって、多くの人たちの命、特に子どもたちの命が奪われていることに、どのような発言されるだろうかと考えるのです。

というのは、深瀬先生は人間にはどこの国に生まれようが、人は誰でも平和に生きる権利があるという考え方の「平和的生存権」の専門家であったからです。

ウクライナで500人以上、ガザで4500人の子どもが軍事攻撃よって亡くなっています。

ガザの町の子どもたちはイスラエルのミサイルやロケット弾による無差別攻撃によってなくなっており、これは国際人道法違反だと言われています。

国際人道法というのは、戦争が起きた時に、一般市民やけがをした人や病人、そして捕虜などは、保護されなければならないという国際的な取り決め法律です。

人道によく似ている言葉に人権があります。

人道が戦争が起きた時の人の命を守るためのルールとすると、人権は平和な状態の時に、人が人らしく生きるために守られるべきルールです。

そして人権を守るために作られたのが法律です。

日本で生活をしている私たちは日本の法律によって人権が守られているのです。

人権と関係がある言葉に正義があります。

正義というのは人として行うべき正しい行動や考えです。

ただ正義は1つとは限らないのです。

立場が違うと行動や考えも違うものになることがあります。

問題が起きた時、お互いが自分の側は正しく、間違っているのは相手と主張することで起こるのがケンカであり争い、戦争です。

戦争は正義と正義がぶつかり合う時に起こるのです。

そこで忘れてはいけないのが、他の誰かとケンカや争う時、相手の人権を奪うことになっていないかと考えることです。

こども六法という本があります。

これは法律についてわかりやすく書かれたものです。

読んでいて、いくつもの箇所で、これが法律違反になるのか、これも他の人の人権をおかすことになるのかと気づかされました。

ぜひ読んでみてください。

いろいろな法律がありますが、知らなかった場合が多いはずです。

しかし、知らないでは済まされないことが刑法の第38条に明記されています。

第3項に次のように書かれています。

「法律を知らなかったからといって、罪を犯そうという意思がなかったと主張することはできません」。

ここの見出しは「法律を知らないことは 言い訳にはできないよ」です。

そういわれても専門家じゃあるまいし法律全部がわかるわけがない、といいたくなります。

けれどすべての法律に共通した考え方があります。

イエスはそれを二言で表現しました。

「主なる神を愛しなさい」「隣人を自分のように愛しなさい」。

謙虚な姿勢と言葉を持った人になること、他者を大切にする自分になること、それがお互いの人権を守る出発点になるのです。

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